【シャーロック】ジョンと出会ったときにシャーロックが取り組んでいた化学実験のこと

Sherlock Holmes in Labo

 

BBCドラマ「シャーロック」を見てシャーロック・ホームズに興味を持った人のためのシャーロッキアン講座を不定期に書いています。原作のホームズを知ることで「シャーロック」がさらに面白くなることうけあい。

シーズン1のエピソード1「ピンク色の研究」の時間軸に従って書いていますので、まだやっとシャーロックが登場したところ。

ジョンと会う直前にやっていた実験のことについて書いてみようと思います。

 

シャーロックと化学実験

シャーロックは遺体置き場での乗馬鞭によるアザの実験をしてからラボにやってきました。

ちょうどスタンフォードに連れられてジョンが実験室に入ってきたとき、なにやらシャーロックは化学の実験をしていました。

そして同じエピソードの後で登場するシーンを見ても、ジョンと一緒に見に行ったベーカー街の下宿にも実験器具がありますし、人の目玉がレンジに入っているのをドノヴァンに見つけられたりもしています。

このときになんの実験をしていたのかは不明ですが、犯罪に関係したことであることだけは間違いありません。

 

ホームズの実験

原作のホームズも、スタンフォードがワトソン博士を連れてきたときに実験に夢中になっていました。

室内にいる研究者はたったひとりだけで、その人は奥のほうの実験台にのしかかるようにして実験に没頭していたが、私たちの足音でふと顔をあげたかと思うと、うれしそうな声をあげて上体をおこし、そのまま立ちあがった。

「発見したよ! とうとう発見したよ!」彼は一本のピペットを手に、走りでてきながら、スタンフォードにむかって叫んだ。「血色素にあえば沈澱するけれど、血色素以外のものでは絶対に沈澱しない試薬を発見したよ」たとえ金鉱を発見したって、これほどうれしそうな顔はできなかろう。

 

こちらが「緋色の研究」挿絵に描かれたシーンです。(まだストランド誌での連載の前ですので、挿絵作家が違うため普通に見るホームズと少しイメージと違うかもしれません。)

Holmes in laboratory

 

ホームズの方はこの実験が何のための物かワトソン博士に詳しく説明しています。

こいつは近年にない実用的な法医学上の発見ですよ。血痕にたいして的確な試験ができるじゃありませんか!

 

残念ながら、この後の作品ではバーツで実験するシーンは登場しませんが、ベーカー街の自室に実験道具をそろえてあれこれと実験している様子は描かれています。

例えば「四つの署名」、「花婿失踪事件」、「橅屋敷」、「海軍条約文書事件」、「瀕死の探偵」などで自室での実験について書かれています。

「グロリアスコット号」では、ベーカー街に引っ越す前から自宅での化学実験が行われていたことも示されていました。

僕はロンドンの下宿へ帰ってから、有機化学のちょっとした実験をやって七週間をすごした。

 

血痕に対する的確な試験

上記のシーンから分かるのは、ホームズが当時から現代にかけて大きな飛躍を遂げた法医学の分野について早くから取り組んでいたことです。

血痕の重要性についてホームズはこのように述べています。

 旧式のグアヤック・チンキ試験なんて手間ばかりかかって不確実でお話にならないし、血球の顕微鏡検出法だっておなじようなもんだ。ことに顕微鏡法ときたら、付着後数時間を経過した血痕には、もう役にたたないんだからな。(中略)

たとえば犯罪があってから、そう、数カ月ぐらいたってひとりの男に嫌疑がかかったとする。そのシャツなりハンカチなり、あるいは服なりを調べてみると、褐色がかったしみがついている。そのしみがはたして血痕であるか、それとも泥か錆かあるいは果物のしみであるかを決定しなければならない。ここに至って従来は幾多の専門家が悩まされていた――というのは何故か? 信頼すべき試験法がなかったからです。

実際にグアヤック・チンキ試験や顕微鏡検出法というものは実在する方法でホームズが把握していたというのはさすがというところでしょうか。

しかし、実は「緋色の研究」が起こった当時にはすでに分光化学分析という信頼のおける実験方法があったことが先日も紹介した「シャーロック・ホームズの科学捜査を読む」という本で触れられていました。

この本はまるまる一章を血液検査について割いていて、実際に血痕の有無が解決の鍵となった事件もたくさん紹介されていました。

 

Tomo’s Comment 

ホームズもシャーロックも化学実験を自宅でするほど好きだったという共通点がある事が分かりました。

まだ科学捜査の手法も確立していなかったビクトリア時代のホームズの実験と現代のシャーロックの実験とでは内容は大きく違っているのだとは思いますが、犯罪解決に化学を取り入れようとしている姿勢は同じなんだと思います。

*本ページの画像引用はBBC制作のドラマ「Sherlock」シーズン1エピソード1の「ピンク色の研究」からとなっています。

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