【読食】アーリオ・オリオ・ペペロンチーノにまるまる一冊?「男のパスタ道」はパスタ好き必読

男のパスタ道

パスタが好きなので、よくパスタ作ってます。

時間があればトマトソースやミートソースなども作りますが、ぱぱっと作りたいときに頻繁に登場するのがアーリオ・オリオ・ペペロンチーノ。

よくお店にもありますが、家庭料理だし、自分で簡単にできてしまうので注文したことはありません。

そんなに簡単にできるアーリオ・オリオ・ペペロンチーノですが、極めると一冊の本になってしまうという驚き。

今日はそんな驚きのパスタ本を紹介したいと思います。

 

アーリオ・オリオ・ペペロンチーノって?

アーリオというのがニンニク、オリオがオイル、ペペロンチーノが唐辛子。

ということで、基本はこの3つの素材で作られたソースにパスタをあえたもの、となります。

シンプルなだけに奥が深い、というのがこの本の主張となっています。

ペペロンチーノには、ほかのパスタ料理と決定的に違う点がある。チーズやアンチョビ、あるいはクリームやパターなど、旨味やコクの強い食材を使わないことだ。旨味などに頼れないから、味のごまかしがきかない。素材の持つ力、例えばパスタに使われた小麦の味の違いすら見えてしまう料理なのだ。(P11)

 

著者の土屋さんは、そんなシンプルでありながら、奥深い料理、アーリオ・オリオ・ペペロンチーノを「刺激的なパスタ」と定義し、究極のレシピを研究していくのです。

 

アルデンテ

土屋さんがまず研究したのがアルデンテ。

アルデンテというのは、中心部まで柔らかくなっていない状態。美味しいパスタの秘訣と言われています。

「固すぎて食べられないと誰もが思う状態」と「完全に真がなくなった状態」の間に横たわる、ある程度の幅を持った概念と考えた方がいいだろう。(中略)世のパスタ好きたちは、含水率40パーセント以下の中心部のデンプン粒子がどの程度の割合を占めるべきか、をめぐって議論を続けているのである。(P36)

 

明確な定義はない、のですが、メーカーの示すよい茹で具合というのは、ゆであげたときのパスタの重さが、茹でる前の約230〜240パーセントになったとき、なのだそうです。

 

アルデンテとコシをそれぞれ定義し、区別しているところも秀逸。

コシは、噛んだときに推し変えるような弾力を持ちつつも葉にねっちりと粘りすいてくる食感と噛んだときに弾力がありつつも、力を入れるとぷつんと切れるような食感、アルデンテは、パスタ中心部に残った硬い芯をポリポリと歯で折り、噛んでつぶすような食感、なのだそうです。

 

最善のアルデンテとコシを得るために、茹でる際の塩の種類(量を変えてかなりの実験をしています)、パスタの種類、食べ易い長さ(17㎝だとか)を丁寧に検証しています。

 

究極の茹で方

茹で方についても検証を重ねています。その結果、究極の茹で過多にたどり着いたのだそう。

使うパスタはディ・マルティーノ ヴェルミチェッリ。

 

そして濃いめの塩を入れたお湯で茹で、別にわかしたお湯で洗うというのが「刺激的」に仕上げるコツなのだそうです。(詳細は本書でご覧ください。)

 

ここまでで、ページは半分以上費やされました。

しかし、まだ茹で方が終わっただけ。

続いてオイル、ニンニク、唐辛子のソースの部に移ります。

 

オリーブオイルを使わない??

自宅で料理する際には、エクストラヴァージンオリーブオイルを使う事が多いのですが、いろいろな料理番組などでは、エクストラヴァージンは加熱する料理には適さない、と言われています。

著者の土屋さんもそのような話を聞いて、実際に実験をしてみています。

結果としては、エクストラヴァージンは加熱すると、苦くて辛くなる、そして油焼けした臭いがするのだそう。純粋にオイルだけ熱して味わったことがないので知りませんでした。

かといって、ピュア・オリーブオイルが加熱向きかという塗装でもないのだそうです。

 

そして土屋さんが出した答えが、太白ごま油で炒め、最後にエクストラヴァージンを仕上げに加えるというやり方。

これは驚きでした。

ごま油は炒め物に強いし、オリーブオイルの香りを邪魔しないのだそうです。ごまの香りがきつすぎるのではと思ったのですが、そんなこともなく、オリーブオイルともあわさると美味しくなるのだそうです。

これは実際にやってみる価値ありそう。

 

最後の検証はニンニクと唐辛子です。

ニンニクの香りをオイルに移すため、冷たいオイルの状態にニンニクを入れてゆっくり温める、というのが私が習って知っていたやり方なのですが、実はニンニクの味や香りは揮発してしまい、オイルにはそれほど味と香りが残らないのだそうです。

もう一つ、知っていたのと微妙に違っていたのが、唐辛子のタネについて。タネが辛いから、辛くしすぎたくない場合はタネを取り除いて使う、と思っていたのですが、実は辛いのはタネのついている胎座という部分なのだそうです。

 

そしてよく言われている乳化についても、ゆで汁を入れてフライパンを揺すっていましたが、激しく揺する必要は無いとのこと。これも誤解していた点の一つでした。

 

そして究極のレシピが

こうして新書一冊を費やして、本書の一番最後で、土屋さんがたどり着いたレシピが紹介されています。

絶対の自信の「勝負ペペロン」、手をかけないで作れる「休日ペペロン」、そして「時短ペペロン」

作り方については、本書を読んでいただくとして、土屋さんの研究やレシピはまだまだ深化している、ということで、ブログの方でもチェックしてみると常に最新の研究成果が披露されていることと思います。

Kitchen Hypothesis

 

Tomo’s Comment 

アーリオ・オリオ・ペペロンチーノについて、これまでの作り方を変えなければならないようです。

結構こだわって作っていたつもりですが、何点か改善の余地が発見できました。

さすがに、毎回「勝負ペペロン」を作るというわけには行きませんが、やはり一度は試してみたいレシピです。試した結果については、いずれこちらのブログで紹介したいと思います。

 

 

その他のパスタの話はこちら。

ローマご飯 Cacio e Pepeでローマ名物のパスタCacio e Pepeとカルパッチョ

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