帯に「なぜ、読んだのに覚えていないのか?多読・速読より、本をきちんと「財産」にする知的生産リーディング」と書いてあって、俄然興味を引かれました。
読みっぱなしになっていないか
自己啓発書やビジネス書を読んでいるとき、なるほどとかやってみようと思うのですが、読み終わってすぐは覚えていても、しばらくすると忘れてしまって実行もできてないということが良くあります。
読んだだけでその気になってることが多いのではないか、という思いがあって、以来読んだ本はとりあえずBlogに書くようにしてきました。
従って、本書への期待は「一冊のノートにまとめる」というポイントよりも、「読みっぱなしを解消して読んだ内容を確実に自分のものにできるインストールリーディング」にありました。
インストールリーディング・フロー
まず口絵で、インストールリーディング・フローである、探す→買う→読む→記録する→活用する、というコンセプトとが紹介され、それぞれの段階で具体的にどのような方法で本に向き合うのかが詳述されていきます。
「探す」段階では、
「日頃から、広告や書評をはじめ、ほかの本での紹介文などをノートに貼ったりメモしたりしておいて、ネタを集めておく。そしてそれを「探書リスト」にリストアップし、「指名買い」する。こうすれば、書店で本を探す時間が短縮できる他、広告などに左右されず主体的に本を選べるようになります。」(P32)
とのこと。
私が実践しているのも少し似ていて、普段の生活や会話、読書などで気になった本については、手帳の中にリストを作っておいて、ここに書いておくこと(買ったら線を引いて消していきます)と、ネットで紹介されている本はそのままAmazonで検索して、とりあえずなんでもショッピンカートに入れてしまい、 時々チェックして本当に買うかちょっと待つか(「今は買わない」ボタンを活用)整理しておきます。
私は本屋で長時間本を見ながら過ごすのが好きなので、必ずしも書店で本を探す時間を短縮したいとは思っていないのですが、こうして気になっている本を整理しておけば、本屋で見かけたときに実際の内容をパラパラ見て買うかどうか決められるので、リスト化しておくことは重要だと思います。
ただリストにない本でも、本屋で眺めていてピンと来るものも多いので、リストの本を買っておしまいということではなく、ブラブラ眺めてまわることもやめられません。
ただ「買う」段階で、
「書店で見ると、どんな本でも、不思議と読まなければならないような気がしてくるものです。だから、無計画に書店の棚の前に立ってしまうと、その時点でもう冷静な判断はできなくなっている、とも言えるわけです。」(P50)
と、著者が述べているとおり、買っても読まない本も出てきてしまうことは確かなので、「自分の本当の読書ニーズがわかるようになる」ためにも、リストは充実させておいた方がよいというのは実行していきたいところです。
そのために情報収集が欠かせないのですが、この本ではいくつかの具体的なテクニックが書いてあってここら辺も参考になりそうです。
例えば、本屋のレジにおいてあるPR雑誌とか、どんどん他の本につながる「ハブ本」の活用など。
こうして主体的に選んだ本ですが、続く「読む」→「記録する」という段階で、自分の中に取り込んでいくことになりますが、そのための具体的な方法が書かれています。
いいと思った箇所に線を引いていき、その箇所をノートに抜き書きし、その感想を書いていくという、ねぎま式読書ノートの作り方。ポイントは、重要な箇所を抜き出すのではなく、自分の心が動いたところだけを抜き出すということだそうです。
最後の「活用する」段階ですが、ポイントは、読んで知ったから活用できるのではなく、活用するために読むからより良く読めるということ。なぜ本を読むのか目的意識をしっかり持ってから読み始めると学びが多く、漠然と読んだだけでは読んだ後で内容が定着しないということだと思います。
結局ここが一番重要なポイントだと思いますので、自分がなぜその本を読みたいと思ったのか、本を読む前と読んでいるときに意識しておくようにしたいと思いました。
座右の書
もう一つ、読書の目的について、なるほどと思ったところは、
「どの本が自分を作ったのか。これがわかっていると、落ち込んだり、切羽詰まったときにも、本が心の支えになってくれます。(中略)旅行のときに読みたい本、つらいときに読む本、そういった長く付き合える本を探すことが常日ごろの読書の目的と言ってもいいかもしれません。」(P114)
という箇所でした。
続いて、「この本を読めば、いつもこういう気分になる」というシステムを組み立てておいて、本棚の一角に「座右の書コーナー」を作り、この棚に加える本を探すことを楽しむ、ということが書かれていて参考になりました。
Tomo’s Comment Follow @tommasteroflife
本の内容をまとめるという段階だけではなく、そこに至るまでの本選びから解説されているのはよかったです。
そして、読みたい本のリスト化と座右の書コーナーは具体的で実践的なアドバイスだと思い実行しています。
知識から実践ということが課題だと思っている方にはお薦めの本です。
同じ本を読んでいるのに・・・Tomoさんの書評のほうが分かりやすいです(^^;
私もリストを作っているのですが、本屋さんで長時間過ごすのが好きです。
座右の書も、さらっと選択されているところがスゴイです。さすがです!
「7つの習慣」は読みたいと思いつつもまだ・・・です。他の本も読みたくなって
きました。こちらのリスト、参考にさせていただきますね!
こちらのリスト、いくつか興味あるのがありましたので、
ぜひ拝見させて頂こうかと思います♪
書評がホント的を得ていて分かりやすいです!
「読書は一冊」の前の「情報は1冊のノートにまとめなさい
100円でつくる万能」を読み、すぐにノートを作りました。
この時系列的「ノート」は主婦にもとても便利で、検索しやす
いのが良いですね。
「読書」の方も「ノート」は作ってあります。
「知的生活の方法」の中に「すぐに読めない本を買うのが
知的生活の一歩」というような記述があったのがとても
印象的でした。
本を買うかどうか悩んだ時に思い出しては本を買っています。
Tomoさんは読書家のようですね。
でも、パソコンは読書は目に悪いのでゴルファーの敵ですよ!(笑)石川遼は午後8時に寝るとのことです。
因みに、わたしがいつも馬鹿にしている右翼のW先生とは、渡辺昇一のことです。
わたしが小学3年で初めて読んだのも、夜行怪獣。バスカビルの犬の子供向けでした。最初のバスカビルの伝説の部分がとても印象的でした。
三国志も嵌りましたが、わたしは家にあった吉川英治のものでした。演技とは大分、タッチが違うんですよ。
>Paceさん、
振り返ってみると、どれも学生の時に読んだ本ばかりですね。社会人になってから読んだのは「7つの習慣」とドラッガーくらいでしょうか。若い頃に読んだ本ほど思い出にも残るし影響も受けているということでしょうか。
7つの習慣は最初読んだときは挫折しました。それがある日、一気に読めたのですが、まさにこんな読書体験があるということがこの本にも書いてあって、なるほどと思いました。読んで損はない本だと思います。
>お茶屋さん、こんばんは。
的を得ているとおっしゃっていただけて嬉しいです。大人になってから読むと印象が違う本もあると思います。でも、違う感想がもてるのも何度も読むからで、そんなことからも自分の成長(や失ったもの)がわかるのもいいものです。
>みっちょんさん、こんばんは。
一冊のノートのコンセプトは私も利用していて、手帳をその用途に使っています。読書ノートはつけてないのですが、日々の記録や思ったことなどを毎日のページに書き込んだり、同じテーマで時系列で書く紙を入れておいたりしています。
私も本とは一期一会だと思い、その場で欲しいと思ったら買うようにしています。おかげで積ん読が多いです・・・。
>降龍さん、
確かに視力が最近弱くなってきて芝が読めなくなってきてるかも。前はみんなのボールを探し当てるのが得意だったのですが。
吉川・三国志は私も途中まで読んだのですが、ちょっとなじめずそのままになっています。北方・三国志も面白かったのですが途中です。いろんなバージョンで読んでみるのも楽しいです。