Masterキートンは、ビッグコミックオリジナルに、1988年6月から1994年6月まで連載されていました。連載当時はほぼ学生時代に一致するのですが、ビッグコミックオリジナルは読んでも、キートンだけは読まず、単行本化されるまで待って購入するほど好きでした。いろろな面で影響を受けていたと思います。
マスターキートンとは
主人公のキートンは日本人の父と英国人の母を持ち、本業は「ドナウ文明がヨーロッパ文明の起源」という説を唱える考古学者ですが、学説が異端視されているため、教職にはなかなかつけず、保険会社の調査員(ほとんど探偵です)を主な仕事としています。かつて、英軍特殊空挺部隊にいたこともあり敵地に潜入してのサバイバル術にたけていて、これが探偵業にも役立っています。基本的には一話完結ですが、いくつかの中編があり、最後の巻はまるまるルーマニア編となっています。
実は現在原作者の扱いを巡って争いになっているそうで、増刷がされておらず、本屋で買うことが非常に難しくなっています。(詳しくはネットで検索するといろいろと出てきます。)Amazonでも、単行本を2冊あわせた内容のワイド版などは、巻にもよりますが中古で2000円以上で出品されているほどです。(ただ最近新巻で定価で売られている巻もあるので、問題が解決したのかもしれません。)
その後98年からはテレビアニメ化され、現在DVDも13巻まででています。ちょうどそのころ海外に出たので、最初のいくつかしか見られず、今後少しずつ買っていこうと思っています。
マスターズ・ブックについて
さて、今回購入した本書ですが、いつか買おうと思っていたものの本屋でも見かけることがなく、機会を逸していました。
たまたま、Amazonで調べてみたら残り一冊と書いてあったことから、本書ももしかしたら増刷がないのかと思いあわてて購入した次第です。
DVDシリーズが完結したのを機に出版されたのだと思いますが、アニメシリーズにまつわる記載が多くアニメ派でない私としてはいささか物足りない点はあるものの、浦沢直樹インタビューや「バックグラウンドオブキートン」でのSASやロイズ(キートンが働く世界最古の保険会社)、ヨーロッパ古代文明などの解説は非常に興味深く読みました。
内容は、
- MASTERキートン・エピソードベスト5
- 浦沢直樹インタビュー
- 秘蔵資料初公開!「キートンはこうして生まれた」
- アニメ・スタッフ・インタビュー
- 絵コンテ&オープニングムービー徹底分析
- バック・グラウンド徹底解説(SAS、ロイズ保険機構、ヨーロッパ古代文明説 他)
- コミック&アニメDATAライブラリー
特に興味深かったのが、Location Mapで、キートンの全144話で訪れた国がすべて紹介された地図です。
Masterキートンの魅力の一つは、舞台がインターナショナルであるということです。ヨーロッパ特に英国を舞台にした話が多いのですが、その他のヨーロッパ各国、日本を舞台にした話も結構多いことがわかりました。
私自身現在多くの国に行く機会がある仕事をしていますが、それもキートンさんの影響かもしれません。
影響といえば、これまで英国に何回か行ったことがあるのですが、キートンさんの出身地であるコーンウォールに行ってみたくなり、英国の左下の端っこ、Land’s Endまで行ってしまったことがありました。
作品中では、屈折率の関係で、瑪瑙色の海だと紹介されていたのですが、確かに少し白みがかった空色で、非常に美しかったのを覚えています。
Tomo’s Comment
単行本18巻以外のキートン研究に必読の正典については、また機会があれば書いていきたいと思います。
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