イケダハヤトさんの「武器としての書く技術」を読みました。
ブログを書くということ
イケダハヤトさんはブログを書くことを職業とするプロブロガーです。会社勤めをやめ、ブログを中心に文筆業で稼いでいるそうです。まだ若いイケダハヤトさんですが、ネット上ではかなりの有名人で私もブログをRSSで購読して読んでいます。
ネット上では批判されていたり炎上したりしているのですが、それらを誘引する言葉・文章の根底にある想いがこの本を読んで少しだけうかがい知ることができました。
私もブログをリニューアルしたところでもあり、書くということももっと向上していきたいと思っていました。そんな時に、実際にブログをプロとして書いているイケダハヤトさんが「書く技術」に関する本を書いているということで、早速読んでみました。
内容的には書くということについて書かれたのが前半部分、後半ではブログで書く、ということに絞って書かれていました。
前半部でも参考になった点はあるのですが、イケダハヤトさんらしさというか、彼だから書けたであろう後半部分が良かったです。
参考になったところ
今までの本は、伝える人がいて、伝えることがあって、その上でどう文章を書くのか、ということについて語っています。(中略)主戦場はウェブという大海原なのです。そのとき、目の前に読者はいません。自分で集めなければいけないのです。(P11~12)
これまでの文章は確かに目的があって作成するものばかりを想定していたと思います。ウェブでは読者を集めなければいけないという点で大きなハードルがありますが、逆に言えば目の前の人だけではない、たくさんの人に読んでもらえる可能性を秘めているとも言えます。
新時代の文章術に必要な4つの力。「スピード感」、「コピー力」、「引きつけておく力」、「リピートしてもらう力」(P14〜18)
わかりやすく面白い文章が3分でできる黄金レシピ
①その文書で何を伝えたいか(料理名を決める)
②まず書きたいことを過剰書きにしてみる(材料を集めてくる)
③どういう流れがベストか考える(手順を考えながら調理)
④具体例などを入れながら肉づけしていく(味付け)
⑤伝わる文章に味付けしていく(スパイス)
この辺は分かりやすく簡潔にまとめてくれているので、いつも意識しておきたいところ。
断定するのは、最初は怖いかもしれませんが、試しに書いた文章から「〜だと思います」「〜な気がします」「〜かもしれません」という弱気ワードを削ってみてください。パンチの効いたスッキリとしたいい文章になるはずです。(P74)
これは最近書くときに意識しているところなのですが、どうしても「〜と思います」という言葉は使いがちです。
ここで言いたいのは「選ぶテーマはニッチでもいい」ということです。というよりも、むしろ「ニッチであればあるほどいい」(P102 )
ニッチなこと、つまり自分独自の体験をベースにすることと理解しました。それをどう咀嚼したのかというところが加わるとさらにニッチになっていくでしょう。
また長い文章が続く場合には、メリハリをつけるためにも「太字」を入れましょう。(P118)
意識して入れていきます。
完璧でなくてもいいのです、今、自分がたどり着ける限界点を切り出しましょう。バカにされる恐れさえ払拭すれば、執筆は自分の「現在地」を客観的に認識するすばらしい機会となるはずです。(P173)
限界に挑むテーマを設定して書くとういことはあまりしていませんでした。せめて書いた後で読んでみて、自分以外でもっと良く書ける人がいそうなのかどうかという検証はしていきます。
「継続できるだけのネタがない」というのは、イコール「情熱がない」ということです。(P187)
情熱をどうやって持ち続けることができるのか、ということが飽きっぽい私のテーマです。
「文章を書く」ということは基本的に苦労を伴うことですが、優れたもの書きは、まるで息を吐くように、文章をしたためることができます。(P196)
この域にまで達っしてみたいものです。まずは苦労しつつ書いていくしかなさそう。
本の中での「核心」はやっぱり5%ぐたいなんです。裏を返すと、書中の95%は「核心」に至るためのたとえ話や前置き、解説ということです。(P217)
ここは速読について述べているところです。つまり伝えたいテーマを探し当てることが重要なのだと理解しました。小説なんかもストーリーを楽しむということだけではなくて、そのストーリーを通じて著者が何を伝えたかったのかを掴むのが重要だと最近分かりました。
ブログの習慣がせっかくできても途切れてしまうと途端にやる気をなくしてしまう人がいます。それではもったいない。途切れたら再会すればいいのです。続けるための方法は「再開すること」。(P223)
毎日連続で書いていたのが止まってしまうとがっかりする気持ちは私も分かります。ですので、ことさらに連続投稿記録などを意識することはしないようにしていますが、途切れてもまたはじめればいい、というのは書き続ける上でシンプルでパワフルなメッセージになっています。
口を酸っぱくして言いたいのは、「書くこと、つまり、ブログでメシを食う」のは、非常に厳しい道であるということです。「ブログで食っていく」というのは、難易度的にいえば、「プロスポーツ選手として食っていく」くらいのものだと思います。(P263〜264)
ちょっとしたお小遣い稼ぎはやりやすくなっても、長い目で見ると、「ブログ一本で食べていく」ことは今よりも厳しい道になっていくと予想しています。(P322〜323)
ブログで食うと言うことは今の所考えてはいませんが、かなり難しそうであることは分かりました。
よく質問を受けるのが「ブログのタイトルやドメインはどう決めればいいですか」というもの。これはなかなか難しい問題です。というのも、個人ブログの場合は運営していくなかでテーマが移り変わることが珍しくないからです。(中略)あまりタイトルを固定化しすぎると、テーマ変更に対する柔軟性が失われます。(中略)タイトル、ドメインを決めるにあたっては、自分がそのテーマにどこまで長く・深く情熱を持てるか、ということを意識しましょう。もしテーマが切り替わるようなら、それに耐える柔軟性を持ったタイトルとドメインを設定しておくべきです。(P323〜327)
私も旧ブログでは何度かタイトルを変えていますが、書いているテーマの変遷で変わっているということではありませんでした。私の場合は、あれこれと書きたいという気持ちから、あえて個別具体的なタイトルにはしていません。
世の中に数多あるブログサービス、いったいどれを使えばいいのかわからない、という方もいらっしゃるでしょう。(中略) パターン1サーバーをレンタル、WordPressをインストールして運営する(有料。年間4000円程度のコストがかかる)(中略)毎月に直せば約円。コーヒー一杯で自分だけのウェブサイトが持てる時代なので、特別にケチりたい理由がないのなら、パターン1をおすすめします。お金を払うと「せっかくお金出したから頑張らなきゃ」という気持ちも奮い立ちますしね。
まさに最近の私がこの状態。サーバーレンタル、WordPress、独自ドメインとお金もかかっているので、改めてブログを書くことに気合いが入っている状態です。
あなたがどんな仕事をしているのであれ、ブログで情報発信をすることは可能です。ポイントは「同業者や顧客の役に立つ情報」を発信することです。(P344)
名刺を持ち歩かないというのは少し極端ですが、あなたもブログを書くことによって、「相手が自分のことをはじめから知っている状態」を作り出すことができるはずです。(P347)
私のブログでは仕事関連については扱っていません。ニッチな分野なので、こちらも少し増やしていってもいいのかもしれません。
ブログには「外づけハードディスク」のような機能があります。本のなかで気になったセンテンス、受講したセミナー、刺激を受けた話などなどを、ブログという空間のなかに蓄積し、いつでも引き出せるようにしておくのです。(P358)
脳に記憶するのは「この本にはこういうことが書いてあった」という情報のみにとどめ、細かい内容はブログに書き残す。大枠の情報は脳のメモリーに蓄積し、詳細な情報はブログという外部ストレージに記録し、必要に応じて引き出すようにする。これが21世紀型の脳みその使い方です。(P366)
これは実感を持って正しいと言えます。留学中の授業メモや読書メモなどはとてもよい備忘録になっています。
「和をもって尊しとなす」のは、「みんなのためを思って」ではなく「自分が叩かれたくないから」です。そこに気づかねばなりません。(P381)
独立した当初、「あれ、別に我慢する必要なんてなかったのか」と目から鱗がぽろりと落ちたことを覚えています。ぼくが我慢を強いられていたのは、自分の問題なのではなく、環境の問題だったのです。(P386)
最近、日本や組織の論理のすべてを律儀に守らなくてもあまり支障が無い世の中になってきていると思います。とはいえ、常にきちんと自分の考えを俯瞰して見てみないと洗脳が解けることはありません。
一度きりの人生をただ過ごすだけでは、その経験は流れて消えていってしまいます。そうではなくて、あなたの貴重な人生を「書く」ことで遺してみましょう。それはいずれ誰かを救うことになるかもしれません。大げさかもしれませんが、あなたが書くことで後世の人類の財産にもなりうるのです。(P397)
自分のために書くことも重要ですが、自己満足的なものでは後世には残っていかないかもしれません。少しでも価値のあるものを書いていけるように頑張ります。
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一言で言うと恐れず表現していけ、ということだと理解しました。表現することで何か(自分・読み手ともに)が変わる可能性がある。そして表現するにあたって必要なのが「武器としての書く技術」ということなのでしょう。
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