旅行や食べ物の写真を綺麗に撮りたいというのは、特にブログをやっている人にとって共通の思いではないでしょうか。
昔は旅行中に写真を撮るという行為が、なんだかよそ者っぽくなってしまう感じがしてあまり好きではありませんでした。しかし、その後少し考えを改め、印象的な風景はそのときに感じた印象も込みで写真という形で残したいと思うようになりました。
ブログを始めてからは写真を撮る量もますます増えてきました。
写真をたくさん撮るようになってくると、今度は失敗しない写真を撮りたい、もっと綺麗な写真を撮りたいという気持が強くなってきます。
そんなこともあって、先日の日本滞在時にちょっと良いレンズ(LEICA DG SUMMILUX 25mm/F1.4 ASPH. H-X025)を購入してみましたので、その印象や使い心地について紹介したいと思います。
私のカメラ歴
その前にまず自分がどれくらい写真を撮るということを理解しているか説明しておかなければならないと思います。
はっきりいいますと、写真が撮れる大まかな仕組みとどういう設定でどういう写真になるのかについてはなんとなく理解している程度です。
世の中のカメラ好きの人に比べるとまるっきり素人といってよいレベル。
ですので、レンズの善し悪しについて技術的に語ることは他のサイトにお任せして、ここでは、そんな私ぐらいのレベルの人がこのレンズを使うとどんな感じかと言うことが伝わればと思って書いていくことにします。
フィルムカメラの時代、初めて自分専用として持っていたカメラはキャノネット(型番は忘れてしまいました)というものでした。持っていたといっても、たまに山などに撮影に行ったりする程度で、撮影と言うよりはご飯や温泉などの遠足を楽しむ感覚の方が近かったと思います。
その後QV10というデジタルカメラを持つようになりました。仕事で使おうと張り切っていたのですが、当初は画素数も小さく、電子報告書に使うにも画像が小さすぎてあまり実用的ではありませんでした。その後しばらくは縦型のフジフイルムのコンデジを何台か買い換えて、主に仕事の記録用などに使っていました。
はじめてデジタル一眼レフを購入したのはロンドンにいたときです。ロンドンの街の町並みや自然との調和、建物の美しさに感動し、NikonのD40というデジタル一眼を購入し、ロンドンの風景を撮るようになりました。ただ、機材が大きくてカメラを構えるのがなんだか大袈裟な気もして、スナップなどはコンデジと併用で使っていました。
その後数年間愛用していたD40ですが、キルギス共和国に出張した際に紛失(盗難?)にあってしまい、しばらくは一眼無しですごしていました。
現有機のLumix GF3と持っているレンズ
ガーナに来るにあたって、改めて綺麗に取れるデジタル一眼が欲しくなりました。しかし仕事でガーナの田舎にも多く行くこともあるので、あまり大きな機材は避けることにして、マイクロフォーサーズのミラーレス一眼カメラLumix GF3を買って持ってきました。
レンズはダブルレンズキットというセットについていた14-42mm/F3.5-5.6のズームレンズと14mm /F2.5の単焦点レンズでした。
普段はズームレンズを装着して使っていたのですが、アフリカの雄大な風景を撮りたいとき、料理写真で料理に寄って撮りたいときなどに14㎜単焦点を使うようになり、やがていつの間にかほぼ14㎜単焦点ばかり使うようになってきました。
これまでは概ね満足していたのですが、段々ともう少し綺麗な写真が撮りたいと思うようになってきます。
カメラの設定をきちんと理解して撮れば現有レンズでもさらに良い写真は撮れると思います。ただ、その場の状況に合わせてぱぱっと設定するスキルはまだありません。液晶画面に移った画像を見ていいと思ってシャッターを押しても、撮れたものは暗くなってたりしてがっかりしてしまうことも。
また物足りなかったのは、料理写真などのボケ。望遠側で撮ったり、露出をいじったりいろいろと工夫はしてみたのですが、あまり満足いく写真が撮れません。
いろいろな写真の本を読むと、本体を買い換えるよりもレンズを買い換えた方が効果が高いということも書かれています。ということで、明るいレンズを購入してみようと思い立ったわけです。
レンズ選び
Lumix GF3に付けられるレンズということで、まずは純正レンズにどんなものがあるのかパナソニックのカタログなどをもらってきて調べてみました。
そんな中で目に付いたのがLEICAのレンズ。LEICAといってもパナソニックが製造してLEICAが基準に合っているか確認しているものなので、厳密なLEICA製とは違うらしいのですが、カメラに詳しくなくてもLEICAというとすごいレンズという印象があります。
マイクロフォーサーズ用のLEICAのレンズは、14㎜/F2.5、15㎜/F1.7、25㎜/F1.4、42.5㎜/F1.2、マクロレンズの45㎜/F2.8などがありました。
レンズの明るさでいえば42.5㎜/F1.2になると思いますが値段が桁違いなのでとても手が出ません。(価格.comでも14万円以上しています。)また焦点距離も少し(中)望遠寄りなのでちょっとニーズが違うかもと思ったり。同じくらいの焦点距離のマクロの45㎜も考えましたが、明るさの面で物足りなそう。
となると15㎜/F1.7か25㎜/F1.4かということになるのですが、前者は日本にいたときに発売されたばかりのようで、店頭にはほとんどありませんでした。また今使っている14㎜の単焦点ともかぶる気がしたので、結局25㎜/F1.4に決定。
メーカーのサイトはこちら。
プレスリリースはこちら
特徴としてつぎのようなことがあげられています。
- マイクロフォーサーズ用交換レンズとして最も明るい25mm F1.4
- LEICA DG SUMMILUXレンズフレアやゴーストを削減!ナノサーフェスコーティング
- 高い光学性能と小型軽量化を実現 超高屈折率UHRレンズ(Ultra High Refractive Index Lens)/非球面レンズ
25㎜を選んだ理由は明るさ以外にもう一つあって、これが標準レンズといわれているから。
カメラの入門書などを読むと、単焦点の標準レンズで修行すべしなどといった記載を良く目にしました。
標準レンズといわれても実はあまりピンとこないので調べてみました。
マイクロフォーサーズの25㎜レンズは35㎜フィルムカメラ換算で50㎜になるそうで、この50㎜というのが標準レンズと言われているのだそうです。
フォーサーズシステム(マイクロフォーサーズシステム)DSLR用レンズの35mm判換算の焦点距離イメージ焦点距離を2倍にした値である。焦点距離25mmのレンズを装着した場合、35mm判換算で50mm相当の有効撮影画角となる
なぜ標準なのかというと諸説あるようですが、肉眼で見たときの印象に一番近いからという説明がなされることが多いようですね。
LEICA DG SUMMILUX 25mm/F1.4 ASPH. H-X025
購入したレンズがどんなレンズなのか調べてみました。
分かりやすかったのがこちら。
この記事によれば、
- ズームキットでミラーレスを始めた人は、50mmの画角とは何かを知るために使ってみよう。
- ズーミングに頼らず自分が動いて構図を決めることを学ぼう。ボケるレンズとしても実用的だ。
- 歪まない、絞りを開ければボケる、遠近感が自然なレンズとしてポートレートにも向いている。
- 標準レンズは50mmとは限らない、自分の標準レンズが何ミリなのかを見極めよう。
とのこと。
50㎜を知るというのはここでも強調されてますね。ここまでいわれているのであれば使い倒してみたくもなります。
そしてボケについては一番期待しているところです。
実際に使ってみて
購入してすぐにガーナに帰国することになりました。帰国の途中でロンドンとアイルランドによる機会があったので、ここで早速このレンズを使い始めてみました。
まず感じたのが、画角が狭いということ。普段14㎜単焦点を使い慣れているせいもあって、広角になれていたこともあったのだと思います。
ロンドンで泊まったホテルの近くにあったセントパンクラス・ルネッサンスホテルの建物が美しかったので早速新しいレンズで撮ろうと思ったのですが、こんな感じになってしまいます。
ビルの全景を撮りたかったのですが、道路の反対側の歩道まで下がっても全景は撮れませんでした。単焦点なので、自分の撮る位置を変えればいいというのは分かっていますが、残念ながら車道の反対側の建物ぎりぎりまでいってもこうなってしまいました。
もちろんこまめにレンズを変えて撮ればいいのですが、今回は買ったばかりのレンズでたくさん撮りたかっただけに慣れていない画角に少しとまどいました。
結局14㎜に付け替えて撮影。
ということで、25㎜の画角については、もう少し慣れていく必要があると思いました。またこうした近い位置から全景を撮りたい場合には無理せず14㎜で撮るのが正解と言うことも分かりました。
さて、風景はさておき、料理写真でのボケについてはどうでしょうか。
こちらは料理教室で作ったキャロットケーキ。
ボケは申し分ないのですが、ピントの合う幅(被写界深度)がとても狭いため、同じケーキの中でも焦点の合っている位置がとても狭くて前後がボケています。
料理写真に限らないと思いますが、前後をボケさせる効果というのは焦点の合った場所により注目してもらいたいからというのが大きいと思います。
料理写真の場合で考えてみると、特定の食材を際立たせたい場合にはその食材に焦点が当たり他の部分がボケているのはありだと思います。例えば、上のキャロットケーキで手前側にあるクルミとオレンジピールに特別の注意を向けてもらいたい場合はこの写真が理想的だと思います。
しかし、料理写真一般的には、料理の一点・一素材にのみ注意を向けてもらうよりは、全体がどのような食材で構成されているのかということの方がむしろ重要なことが多いように思えます。であれば、ピントは皿の奥行きの一定程度をカバーして、皿の前後をボケさせるというのが理想的だと思いました。
もちろん、露出やシャッタースピード、撮影する距離などによってこれらは調整可能なのだと思います。しかし、何も考えずできるだけ寄ってインテリジェンスオートモードで撮ってしまうと料理の特定の一部にのみ焦点が合ってしまいます。ここは修行のしどころなんでしょうね。
Tomo’s Comment
購入してみて、写真そのものの美しさには大満足です。
しかし上述したように、設定をマニュアルでその場その場で調整していけるスキルを身につける必要を痛感します。
どうしたら撮影対象や撮影意図にあった被写界深度が得られるかについては早急に勉強していきたいと思います。
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