清野とおるさんと言えば、「ウヒョッ!東京都北区赤羽」シリーズが有名なのですが、そんな清野さんが書いたグルメマンガ(といえるのか?)がこの「ゴハンスキー」となります。
一読してみると、帯にあるとおり一筋縄のグルメマンガではなく、まさに問題作と言えるのかも。
グルメマンガ?
グルメマンガということなので、当然食べものや食べ物屋さんの話題が中心となります。
通常は美味しいものだったり、こだわりの料理だったり、凄腕の板前だったりを紹介するのがグルメマンガなのですが、このゴハンスキーでは、正直あまり美味しそうなものは登場しません。
北区赤羽シリーズにも通じた、変な店や変なお店の人やお客さんという方がむしろメインテーマになっています。
最初に紹介される料理は、新宿の讃岐うどん生そば「かのや」というお店の岩のりそばとゴボウ天。
清野さん曰わく、ゴボウ天は揚げたてでしかもすっげー美味くて、岩のり蕎麦は一瞬海が見えるとのこと。
B級感はあるものの普通のグルメマンガとかろうじて言える範囲の出だしと言えましょう。
次に登場するのが100円ローソンの干しホタルイカ。安うまシリーズで第3話に出てくるのがダイソーの安ワイン。
ここまでは、実際に美味いものが紹介されています。
方向性が・・・
そしていよいよ第4話から方向性が怪しくなってきます。
寿司屋かラーメン屋か分からない店が登場し、序盤は絶品のネギトロや刺身が出てくるのですが、寿司を頼もうとしたところで衝撃の告白。
「うち・・・もう寿司屋じゃないんです」
寿司屋を始めたけどいろいろあってラーメン屋になったという店主。(経緯はわからなかったらしい)
ということでラーメンを頼むのですが、その味は、
ヒント「書けない」
とのこと。
まあ、不味い料理の紹介もあってもいいよね、と思いつつ次の話はトラウマ飯。
幼稚園のとき、イカれた園長と副園長に無理矢理犬食いで食べさせられたパイナップルが、清野さんのトラウマ飯になったという話。トラウマ飯とは、「味や食感は平気だけどなんらかの決定的な出来事が原因で食べられなくなったモノ」なのだそうです。
その後は少し持ち直して、ポテトの美味しかった幻のファーストフード、ナイショでレバ刺しとユッケを出してくれるお店、立ち飲み日高などが紹介されていきます。
しかし中盤から終盤にかけては、店主に威圧される中お腹が痛くなってつけ麺を残した話とか、特定の場所に座ると気を失うお店だったり、コケ寿司(気になる方は是非お読みください)等々が登場、混迷していきます。
Tomo’s Comment
ということで、帯に煽られてグルメマンガとして読んでみたのですが、これはグルメマンガと言うよりは清野さんの見つけた面白い(ちょっと怪しい)お店を楽しむ作品でした。
「北区赤羽」シリーズが好きな人はこの本も充分に楽しめこと請け合い。一方美味しいモノの話を読みたい人には微妙な内容かもしれません。
私はもちろん楽しめましたよ。
RT @tommasteroflife: 【食漫】グルメマンガの問題作、「ゴハンスキー」はただのグルメ漫画ではないジワジワくる魅力が! https://t.co/JnORNnQsis