【読食】寿司に関する試行錯誤と実験の過程が楽しめる「ラズウェル細木のラ寿司開店!! 3―酒のほそ道姉妹編」

ラズウェル細木のラ寿司開店!! 3―酒のほそ道姉妹編

ラズウェル細木さんの漫画は「う」シリーズで本格的に読み始め、代表作(だと思います)の「酒のほそ道」、江戸時代を舞台にした「大江戸 美味草紙」、「大江戸酒道楽」などを読んできました。

今回紹介する「ラ寿司開店」のシリーズは、酒のほそ道姉妹編、となっていますが、酒のほそ道とは直接関係はなく、作者ラズウェル細木さんが寿司について考察し、実験するというもの。

Kinoppyでは3巻まで刊行されていましたが、これ以降も続いているのは不明です。Amazonの書評にも書いてありますが、このシリーズ、各巻ともラ寿司シリーズだけではなく、他のシリーズも一緒に収められているのです。ラズウェル細木さんの漫画は全体的に好きなのですが、特に寿司好きとしては、寿司シリーズでタップリ一冊読みたいと思っていると肩すかしを食らいます。

特にこの3巻はラ寿司は全体の3分の1ほど。残りは風呂漫画が続きます。これはこれで面白いのですが、ラ寿司シリーズはラ寿司シリーズでまとめて刊行して欲しいところ。連載の順番や時期などでこういうカップリング刊行になってしまったのでしょうか。

 

内容は寿司をテーマに多岐にわたっています

1,2巻についてもいずれ紹介したいと思いますが、特に意味も無く第3巻から詳しく見ていきたいと思います。

その1 赤身とづけ

マグロのづけについて、サクごとづけ、切り身にしてから漬け、霜降りしたサクをづけ、切ってから霜降りしてからづけ、という4種類を作って検証しています。結果は1位サクを直接、2位霜降りしたサク、3位切り身、4位霜降りした切り身、という順番だったそうです。

うちで手に入るマグロの鮮度がいまいちなのと保存状態についても不安もあるので、うちではだいたい霜降りにするか、たたき風に周りを焼いてから使うことが多いのですが、ヅケにするときは切り身にしてヅケにしていました。この前もやりましたが、熱湯で霜降りにしてからサクごと漬けるやり方をやっていこうと思います。そしておすすめのヅケちらし丼もこれからも作ると思います。 

その2 白身の旬

冬のヒラメ、夏のスズキなどの白身魚の旬について考察しています。白身の魚はガーナでは鯛とかフエダイとかでしょうか。こちらは雨期と乾期の別はあっても、雨が降るかふらないかで暑いかちょっと涼しいかくらいと、あまり季節の大きな違いを感じないため、旬について感じたことはありませんでした。でも鯛を見ない時期とかもあるので一応シーズンはあるのかもしれません。

シタビラメはよく売っているのですが、刺身や寿司にする魚でもなさそうなので生で食べたことはありません。冬がないので、ヒラメやブリなどがとても懐かしく感じます。 Michael先生にヒラメのさばき方を教えてもらったのが懐かしいです。

その3 サワラ寿司

春の魚と書いてサワラです。サワラって、食べたことがあるとは思うもののあまり記憶に残っていません。「築地魚河岸三代目」で、岡山では刺身で食べる、そのために丁寧な魚の手当を漁師さんにお願いしている、っていう話は覚えています。

その4 煮ハマにチャレンジ

東京湾産のハマグリはほとんど絶滅状態で、中国・韓国からの輸入が大半だとか。寿司にするには大きさもなくてはいけないし、にたり漬けたりと大変な様子です。むき方、開き方が難しいそうです。

その5 なんちゃってネギトロ

ペースト状のネギトロは皮や筋に残った脂身をこそげたものだそうです。さらに安いものになると中落ちや赤身の切れ端に業務用の精製油脂を加えて作ったなんちゃってネギトロもあるそうです。「江戸前の旬」では、江戸前にこだわる親父さんの方針で、実際にトロを使わないネギトロは出せないと言うことで出していないという話が合ったような。あとで読み返してみます。

その6 蒸しアワビの価値

アワビと言えば、大昔、田舎でとれたてのアワビをそのまま防波堤の上で焚き火して焼いて食べたのを思い出しますね。アワビの寿司ってあまり食べたことないかもしれません。

寿司は生と蒸しアワビで作る2種類あるそうで、ラズウェル細木さんも蒸しに挑戦しています。10分、20分、30分と蒸してみて食べてみたところ、蒸し時間が長いほど柔らかくて旨味も強いとか。

干したアワビと熨斗袋のこととか、片思いにかけたエピソードなどは「江戸前の旬」でも読んだ記憶が。

その7 寿司屋コレクション

寿司屋さんの格好についての考察。私の寿司屋さんのイメージはやはり白衣に和帽子でしょうか。ネクタイはしていないイメージですね。

その8 サンマの棒寿司

サンマもガーナでは食べられない魚の一つ。たまに煮付けで真空パックされたものをお土産でいただきます。ありがたいことです。

サンマの刺身って、昔はうちの田舎ではよく食べていたけど普段は見かけなかったように覚えています。最近は結構メニューに載ってたりしますね。流通がよくなったのでしょうか。

ラズウェル細木さんがサンマの棒寿司作りに挑戦しています。 シャリにスダチを入れたりして、とてもおいしそう。

その9 笹切りに挑戦

寿司のみならず、寿司に付いてくる笹切りまでにも挑戦してしまうところがラズウェル細木さんのすごいところ。漫画家さんだからか、写真でも見られる笹切りはかなりお上手です。しかし確かにお寿司屋さんはたくさんの種類の魚の下ごしらえをして、シャリをたいて、そしてこの笹切りまで作ってしまうと言うのは、大変な仕事だと思いました。

その10 戻りガツオの手こね寿司

カツオはたまにガーナの漁港でも見かけるんですよね。いつもマグロの方を買ってしまってカツオを買ったことはないのですが、この手こね寿司を見ていたら、ちょっと作りたくなってしまいました。

江戸前の旬では、あまり生きの良くないカツオを手こね寿司にしていたような。ということはこちらでも大丈夫かな。寄生虫には気をつけなくては。

その11 八戸サバ紀行

八戸では大きなサイズのサバを「八戸前沖鯖」としてブランドにしているそうです。是非食べてみたい。

そして八戸ニューシティホテル内の魚菜工房「N」(イニシャルしか紹介されていません)の「虎鯖」はいつか食べてみたいもののリスト入りしました。料理長が漁船に乗り込んで自ら船上で厳選、活け締めするのだそうです。

その12 粗品の湯呑み

ラズウェル細木さんの行きつけの寿司屋から毎年湯呑みをもらうそうで、それが10個たまったとのこと。私も日本に帰ったら、長く通えるお寿司屋さんをみつけたいです。

その13 ブリの握り

ブリはガーナでは食べる機会はまったく無いと行っていいかもしれません。そもそも近くで取れそうにないし。これも日本に帰ったら、季節があえば食べたい魚の一つです。でも、寒い冬の日本に一時帰国したくないから、食べられるのは本気国になったあとでしょうか。

Michael先生に教えてもらって捌いて食べたブリが忘れられません。

 

Tomo’s Comment 

といことで、「ラ寿司開店」3巻は短いながらなかなか充実した内容だったと思います。1巻と2巻もいずれレビューしようと思います。なんだか日本で食べたいものがどんどん増えていくような気が。
 

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