シャーロッキアンになるためには、まず正典と呼ばれるホームズの60作品を読んでみることが最初の一歩だと思います。長編が4冊、短編集が5冊ありますので、量としては結構多いですね。
この9冊を読もうと思うと、文庫などでもそれぞれ購入しなければなりません。つまり全部で9冊。英語版などではすべてが一冊にまとまったものもあったりするのですが、日本ではあまり見かけません。
先日紹介したシャーロック・ホームズ大全は珍しくホームズ作品の大多数が収められた一冊となっています。しかし、残念なことに抜けがありました。
今回紹介するこちらは本という形式ではありませんが、すべての作品を網羅しているという意味ではホームズの基礎的な資料として重宝していました。
CD-ROMによる全集
本ではなくCD-ROMですが、上述の「大全」では含まれていない長編「恐怖の谷」と短編集「シャーロック・ホームズの事件簿」も含んだいわば完全版です。
ぱらぱらとめくれる本の利便性はないのですが、その代わりに超絶便利なのが検索機能です。例えばレストレード警部がどの作品に登場しているのかも、「レストレード」で検索をかけると登場する全ての箇所を調べられるのです。
そして研究を一歩進めるにあたり、延原謙氏の訳した日本語版だけではなく英語の原典もそれぞれ60編が納められているのも重要なポイント。日本語で気になった箇所について、原文に当たることができます。やはり英国のちょっと細かいことを調べたいときなど、ネットでは英語情報しかないケースがほとんど。そんなとき、作品に登場する人名や地名などの綴りが簡単に分かるのはとても便利です。
正典以外の情報も充実
「ホームズ物語の楽しみ」というホームズガイドブックも収められており、物語を超えたホームズの楽しみ方も理解できます。シャーロッキアンへの第一歩として最適の内容だと思います。
さらにCD-ROMの利点を生かして、初版挿絵600枚、3000項目の索引、ロンドンイラストマップ、スライドショーなどが楽しめるのもホームズ作品への理解を深めるのに役に立ちました。特に当時の写真や作品の中で語られている場所の位置関係などが分かるロンドンマップはなかなか参考になります。
Tomo’s Comment
Amazonでも品切れ状態で、今では手に入れるのが難しいのかもしれません。値段も10000円とそれなりだったのですが、納められた内容を考えればそれほど高くないと思います。買っておいて良かったと思います。
新しいWindowsではもしかしたら読めないかもしれませんので、未だにWindows XPをMacのParallel Desktopで起動できるようにしてあります。
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