今日から2学期の授業が始まりました。プライマリーヘルスケアの第一回の授業になります。
Session 1 Study Unit Overview
最初の1時間は、コースの進め方などについての説明。まずStudy Unitの目的について、このUnitでは1)途上国のコンテキストにおけるPHCのコンセプトを分析するす、2)参加型計画・管理のツールを学ぶ、3)自分の経験と他の経験に反映させてみる、ということで、このUnitはPHCのレシピブック・ツールキットではなく、保健計画と管理についてでもなく、一次医療サービス(Primari care)についてのコースでもないとのこと。
カバーされる内容は、1)バックグラウンド;健康はどうやって改善するのか、2)PHCの定義、原則、歴史、そして保健セクターリフォームにそれがど関係するのか、3)PHCの原則を、計画、ファイナンシング、モニタリング・評価に適用するためのツールの紹介、4)ケーススタディ、5)PHCの将来、となります。講師の都合によって、時間割は前後するかもしれないとのこと。チェンバース教授など、かなり忙しいようですから仕方がないかと思います。
セッションは68%がレクチャー、グループワークで行われ、残り32%は自己学習。グループワークが10セッションあり、残りはレクチャー形式。
ReadingについてはEssentialとAdditionalに分けて紹介されていて、Additionalについては、特別に関心をもった分野について読めばよいとのことでした。確かに、これだけカバーするのはちょっと難しそうです。
成績は、5週目に提出するペーパーによって行われ、課題については1月24日に出されるそうです。ペーパーは2000語以下とのこと。
Session2a How does health improve?
導入に続き、上記タイトルのレクチャーが行われました。
まずは「健康」をどう定義するのか。いろいろな定義がありえるけれど、ここでは西洋化学的なモデルを使うとのことです。
「健康」の消極的な定義としては、「病気(disease, illness)が無い状態」、積極的な定義としては「よい状態(Well-being)であること」。
英語のDiseaseとIllnessの違いですが、前者は医学的に定められた肉体及び精神の病気、後者は主観的に感じる健康の喪失だそうです。従って、医学的に問題が無くても健康に感じていなかったり、医学的に問題があっても健康に感じるなどの状況もあります。
では、「健康」をどうやって測定できるのか。その文化によって健康の概念は様々なので、予期せぬ結果が出ることがある。医学的な見地からは、病気のないこと=Morality/life expectancy、Morbidity/lack of morbidty、これらの組み合わせとしてのDALYなどが使える。
平均余命はこの半世紀で上昇しているが、先進国では緩やかに上昇し、中所得国では大幅に、低所得国では上昇しているものの中所得国ほどではない。なぜこうした違いがでてきたのか。
一方で病気による死亡率を見てみると、結核、麻疹、ジフテリアとも前世紀前半から今日まで多少上昇する期間はあっても、全般的には低下している。これは医学の進歩(病原体の発見、治療法の確立、予防接種)によるものと考えられるが、それぞれの病気毎に見ても、治療薬の発見、予防接種の導入が必ずしもその疾病による死亡率をDrasticに低下させているわけではなく、死亡率低下の重要な要素ではあるものの、他の原因によるものと考えられる。ではどのような原因が考えられるのか。英国の事例の分析からは、生活水準(住居など)、栄養状態、上下水の整備、医療、公衆衛生などが挙げられている。(McKeown & Szreter)
こうしたDeterminant of healthにどのようなものがあるのか、どうやって近代において健康が改善してきたのか、について、明日のグループワークでディスカッションが行われる予定。
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