旅に出ると昼酒が多くなります。
世間の皆様が働いているお昼に飲むお酒は、ちょっとした背徳感もあってことさら美味しく感じるものですよね。
これは下町の酒飲みの代名詞ともいえるなぎら健壱さんも同じようです。
今回紹介する本はそんななぎらさんのとっておきの昼間酒スポットを紹介するというもの。もちろんなぎらさんのチョイスなのでこじゃれたお店は登場しません。しかし味わいのあるお店が揃っています。
「バチ当たりの昼間酒」
本書は一章に一つのお店を漫画とレポート風の文章で紹介するというもの。全部で11軒が登場します。
表紙からして下町の食堂風のお店で子供達が帰宅する時間帯になぎらさんが天ぷらなどのつまみをとってビールを飲んで笑っている絵でなごまされます。
この絵と中の漫画は漫画家の魚乃目三太さんという方が書いています。昭和風のテイストの絵柄は本書にぴったり。描かれているなぎら健壱さんも雰囲気がでています。
前半の8ページの漫画、後半4ページの文章というのがなかなか良いバランスです。漫画部分と文章部分は内容としては同じなのですが、漫画があることで文章の方での説明もすんなり入ってきて相乗効果が出ています。
紹介されている店と食べているもの
なぎら健壱さんは銀座生まれ、葛飾区育ちと言うことで、本書に出てくるお店も銀座や浅草など下町エリアが中心です。(唯一新丸子はちょっと離れてますが。)
下町と行ってもエリア的にいまいちピンと来ていないのですが、柴又は「本来は下町とは言えない郊外」だったのが、震災や戦災で人が移って下町の気質も移行してきたのだそう。イメージ的には下町=浅草、柴又あたりと漠然と思っていました。
Wikiで調べてみたところ、次のようなエリアのようです。
東京では、歴史的に江戸時代の御府内(江戸の市域)で、高台の地域を「山の手」と呼び、低地にある町を「下町」と呼んだ。東京における下町の代表的な地域は、日本橋、京橋、神田、下谷、浅草、本所、深川である。
主役はもちろん昼間酒。ということで午後早い時間からお店に繰り出してビールにウーロンハイたまに山査子酒など混ざりますが、全編飲みまくっています。なぎらさんはビール好きのようでまずはビール。そのままビールの時もあれば、他に移るときもあるみたい。
そしてなによりお酒と言えばおつまみ。どのお店でも美味しそうなものを食べています。
正統派のにこみや餃子なんかもありますが、定食屋でコロッケのカレーがけ(コロッケにカレーのアタマというそう。アタマというのは蕎麦の具の部分や丼もののご飯にかかっている部分。カレーのアタマなのでカレーだけということ。)だったり、焼きそばにカレーと卵焼きをトッピングしたものだったりという主食・しっかり系もあれば、お団子なんかの変化球もありました。
下町で飲むというと和食系のつまみが多いのかと思いきや、なぎらさんは洋食系もすきなようで、メンチやコロッケも何度も出てきますし、チキンカツやエスカルゴなんかも登場します。たしかに、揚げ物系で飲むビールは最高です。
具体的には次のようなお店が紹介されています。
- 浅草 「焼きそば福ちゃん」
- 柴又 「大和家」
- 亀戸 「亀戸餃子」
- 新丸子 「三ちゃん食堂」
- 浅草 「どぜう飯田屋」
- 上野 「肉の大山」
- 両国 「下総屋食堂」
- 浅草 「水口食堂」
- 神保町 「ランチョン」
- 池上 「蓮月」
- 銀座 「三原カレーコーナー」
残念ながら銀座の「三原カレーコーナー」は閉店してしまっているそうです。
Tomo’s Comment
紹介されているどのお店も多分行ったことないところばかり。活動エリアがどちらかと言えば池袋、新宿方面が多かったのであまりあちらに行かないんですよね。行っても上野のアメ横くらいかな。
10月に帰国してから決めた新居は上野方面にも新宿方面にも行くのに便利なところなので、少しこちら側も開拓してみたいと思っています。
ただ、紹介されているどのお店も魅力的なのですが、わざわざ遠くから人が来るお店と言うよりは、近所の人が通うお店という感じなのかもしれません。行ってみたいとは思いますが、むしろ自分でこうしたお店を見つけていく、というのが正しいのかも。
近場で昼間酒できるお店を開拓してみたいと思っています。
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