【読食】アメリカの料理人達の世界がリアルに描かれる「キッチン・コンフィデンャル」は、料理人の世界に興味がある人におすすめ

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アメリカでかつてベストセラーになったアンソニー・ボーデインというシェフの書いた、レストランの裏側を描いた本「キッチン・コンフィデンシャル」を読みました。

厨房のリアルな様子を描いていて、レストランの裏側を知るにはとても興味深い本だと思いました。

 

内容紹介

あらすじですがアマゾンではこのようにまとめられています。

CIA(米国料理学院)出身の異色シェフ(なにしろ2冊の傑作犯罪小説の著者でもあるのだ)がレストラン業界内部のインテリジェンスをあばく。2001年に初版が出るや、たちまちニューヨーク・タイムズ紙がベストセラーと認定し、著者は自分の名を冠したテレビ番組のホストという栄誉を得(その後離婚と再婚もした)、料理のセクシーさに目覚めた(血迷った)読者をしてかたぎの職場を捨て去りコックの門を叩かしめた(という実例を私は知っている)、男子一生の進路をゆるがしてやまない自伝的実録。「月曜日に魚料理を食べるな」「グローバルのシェフナイフ一本あればいい」など、役立つ知見を含む極上の読み物を人気の野中邦子訳でおくる。

 

男子一生の進路をゆるがすかどうかは別として、レストラン業界についての理解は深まります。アメリカと日本とでは当然違うのではないかと思いつつ、かなり共通するところもありそうな気がしました。

アンソニー・ボーデインとは

著者ですが、上記の通り、シェフでありつつ、テレビなどでも番組を持っている方。

ディスカバリーチャンネルの「アンソニー世界を喰らう」という番組で、世界のあちらこちらにいって様々なものを食べてきています。

こちらの動画は彼が番組で日本に来たときのものです。

 

率直なコメントと何でも食べようとチャレンジする精神が評価されて2009年にはエミー賞を受賞しました。その後も多くのシリーズが作られているようです。

 

 

ロックなアメリカのシェフ達

この「キッチン・コンフィデンシャル」では、アンソニー・ボーデインがいかにシェフとなったか、シェフの仕事とはどういうものか、が自伝風につづられています。フランスで食べた生牡蠣の感動に始まり、バイト先で見せられたコックの手に圧倒され料理学校に通うことになったこと、ドラッグとアルコールの日々、シェフとしてのさまざまなレストランでの仕事ぶりなど、非常に生き生きと描かれています。

料理人の世界と言うと厳しい修行というイメージがあったのですが、彼の人生を見ているとパンクロッカーの人生のようです。アメリカの料理人達がみんなこんなじゃないということは、最後の章で書かれていますが、ある程度の料理人の世界は表しているのではないでしょうか。

特筆すべきは、やはり本職の料理人だけ合って、キッチンの描写、レストランの他の従業員との関係など、まさに裏側から見たコンフィデンシャル(秘密とか機密とか言う意味)だと思いました。

ところで、本の中で散々フードネットワーク(アメリカのケーブルテレビのチャンネルで一日中料理番組)を揶揄していますが、前述のように彼自身も料理紀行の番組を持っています。本書の最後のほうでも彼が東京に来たときの話が書かれていて、彼の食にまつわる好奇心・探究心の旺盛さがわかるので、世界中の料理を食べる番組を持ったというのも納得できるところではあります。

Tomo’s Comment 

学生時代に4年ぐらいレストランで働いていたことがあります。上でも書きましたが、この本で書かれたアメリカの様子と、私の限られた経験とは比べようもありませんが、どこか料理人の持つアナーキーなというかはちゃめちゃなところについては、思い当たる共通点があると感じました。

みんながみんなとは言いませんが、結構ロックな料理人もいたことを覚えています。

洋の東西の違いはありますが、料理人の世界に興味がある方は大いに影響を受ける本であることは間違いないでしょう。

 

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