【今日の授業】疫学と統計

数学系の科目が続きますが、最近、やっと慣れてきたせいか、むしろ社会科学系の科目よりも、分かりやすいような気がしてきました。

午前は、疫学の授業。先週習った、疫学調査の諸調査について、今日から一つ一つ深く掘り下げていくことになります。

今日が最初と言うことで、しょっぱなはIntervention Studyでした。これは、


あるExposureについて、あるグループはExposureを与えて、あるグループは与えずに、その結果どのようなOutputの差が出るかを調べるというもの。キーポイントは次のようなものだったと思います。

Intervention Studyの目的:①(病気などの)原因を探る、②Interventionの効果を測定する。

Study Population:Trialの結果を適用したい人口は、Reference population、実際にTrialを実施するのはStudy Population。

Randomisation:介入するグループとControlグループの条件をなるべく同様にして、Confounderを防ぐため、また両グループの違いが偶然か統計的に調べるために、Randomisationが需要。Randomに割り振られた人たちには、どちらなのか知らせないようにする、またできるだけランダムになるようにSealed envelopeかTelephone Randomisationの手法が用いられる。それぞれのグループは最初に比較するためにBaselineを測定しておく。

Measurement:Outputを測る方法としては、Episodeが起こるたびに測定する方法、BsselineとFollow up一回だけ測定する方法、定期的に測定する方法がある。測定中に対象がLossになってしまうのはBiasとなってしまうので避ける必要がある。

Blinding:参加者、参加者を見る人(医者など)、結果を測定する人の三者で、測定結果に影響しないよう、また介入が行動に影響しないように、Blindingが必要。

結果の分析:Intervention Studyの場合、分析はRelative Riskが用いられることが多い。

Ethical Issue:Informed Consentに基づいているか、Control Groupへの配慮は行き届いているか、Exposureは完全にプラス、マイナスのどちらに作用するか分かっていないか、途中でも効果が分かった場合、Control groupにも裨益するようにできるか。

演習では、フィンランドで実施されたHIBのワクチン接種のClinical Trialの事例を分析するというものでした。面白かったのは、奇数日と偶数日に生まれた子供を二つのグループに分けるというのは、完全なRandomisationにはならないということです。これは、他にも当てはまりますが、Systematicに分けた場合、容易に介入の有無が分かってしまう可能性があるため、それがConfounderになってしまう恐れがあるからです。演習でも、その他にたくさんの不備があることが分かりました。

こうして一つ一つの調査方法を学んでいく訳ですが、明日以降、ごっちゃにならないか心配です。

午後は、統計の授業。今週から統計ソフトのSTATAを使うので、今日と金曜日は新しい概念を学ぶことはなく、コンピュータで実際にSTATAをいじることになります。最初に、なぜSTATAなのか、なぜComandを入れるやり方を教えるのか説明があった後、コンピュータルームで演習です。残念ながら、生徒一人に一台のPCがなかったため、コースメイトと二人で一台をシェアしました。もともとPCいじるの好きだし、今日の課題であるデータを入力したり、コマンドを入れてデータを加工したりというのは、それほど抵抗なくできました。ただ、自分でいじる時間はなかったので、次の授業までに家で自首しておきたいところです。

しかし、最初にSTATAの画面を見たときには、一昔前のMS DOSですか?って思いました。もっと、WYSIWYGなものかと思ったのですが、少しがっかりです。

夕方は、全校生徒向けの公衆衛生セミナーシリーズ。今日は、Fragile Countryにおける保健ということで、講演がありました。Fragile countryとは紛争によって影響された国、②紛争後に興ってきた国、③Pro-poor policyを実施する意志もキャパシティもない国、というのが(DFIDの)定義だそうです。このカテゴリーに分類される国は40ヶ国ほどあり、世界の15%が住んでいる計算になるそうです。そのうち38ヶ国はMDGに遙か及ばない状況だそうです。

今のところ、Fragile countryについては、Post-conflictなのかConflictなのかの境目も明確ではなく、課題も多いとのこと。

公演後のディスカッションでも、治安と開発の問題、軍隊による開発への支援の是非、など幅広く議論がなされました。イラクからの留学生が発言したりと、現実的な議論が展開され、これもこの学校の一つの醍醐味だと実感しました。

スポンサードリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください