今日の午前中はカウンセリング・テスティングとHIV/マラリアの重複感染についてでした。
最初はカウンセリング・テスティングについてです。主な内容は、カウンセリングの戦略、VCTが果たしてきた役割の変遷、検査の任意性と強制性の違い、公衆衛生と人権のバランスといったことでした。
キューバの事例があったのですが、1989年からAIDS問題を重要視して、検査の義務づけ、差別の禁止、患者の隔離(当時観戦メカニズムが分かっていないため)などを行い、感染率を0.05%レベルで抑制しているそうです。詳しい内容は分からず、これら政策・対策が低感染率にどれくらいの貢献をしているのか(他の要素で押さえられていないか)今日のスライドだけでは判断できませんが、検査の義務づけということの一つの有効性と言うことで紹介されていました。
また、初期にはVCTで検査を行っていたのが、徐々に他のサービスの中での検査の比率が増えていったのは、母子感染防止が可能になったり、ARTが普及してきたことに関係しているということだそうです。
(ハンドアウトがまだ手元にないので、また復習して追加)
2コマ目の授業は、エイズとマラリアの関係について。
エイズとマラリアの相互の関係性については、これまであまりないということだったそうですが、最近の研究では、関係を示すものが出てきているということ。日和見感染ではないものの、HIVはマラリアを重症化させ、マラリアの発病がViral loadをあげて例えば母子感染の確率を上げるということもあるそうです。ただし、マラリアに対するImmunityレベルやCD4カウントによっても結果は変わってくるということなので、まだまだ研究が必要な分野とのこと。講義は、これら相互のメカニズムの説明の後、マラリアの多いところ少ないところ、大人、妊娠中の女性、子供への影響についてそれぞれ別のリサーチ結果を示しながら、影響について説明、そして公衆衛生への示唆、治療・予防について進みました。
双方が多い国はアフリカなどで一致しているが、国の中を見ると都市部と地方で違っていたりします。特にどちらかが多く、どちらかが少ないところで、HIVとマラリアの相互の影響が悪く出る可能性があるということだそうです。(マラリアへのImmunityが低いところでHIV陽性だとマラリアが重症化またはHIVのViral loadが高くなるということ。)
てっきりあまり関連性がないと思っていたので、今日紹介された文献はどれも興味深そうなものでした。一つくらいは読んでおきたいところです。オンラインでアクセスできるこれあたりでしょうか。
Whitworth J. Malaria and HIV. HIV InSite Knowledge Base Chapter, 2005.
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