昔からお酒や料理の漫画を書いているラズウェル細木さんですが、私が好きになったのは比較的最近のこと。
まずは「酒のほそ道」シリーズを読破しました。その後、他の作品も随時読み進めていて、単行本の多くは制覇したと思います。
本屋でもなかなか手に入らなかったのが今回紹介する「魚心あれば食べ心」のシリーズ。最初に入手したのが、今回紹介する「キュイジーヌマダム編」の前作にあたる「キュイジーヌムッシュ編」でした。
「魚心あれば食べ心」シリーズ
私が最初に読んだ「キュイジーヌムッシュ編」というのは、実は新シリーズにあたるものの最初の巻でした。
最初のシリーズは「鰓の巻」「鰭の巻」「鱗の巻」「肝の巻」「腸の巻」という5巻となっており、こちらは魚そのものの話題が多かったのに対し、キュイジーヌ編では魚料理がテーマとなっています。
この前のシリーズですが、書店でなかなか見かけることが少なく、電子書籍版も出ていなかったこともあって先に読めなかったのですが、最近電子書籍化されたことからやっと読むことができました。
キュイジーヌ編
そしてキュイジーヌ編なのですが、主人公・坂菜課長が居酒屋やレストランで坂菜の蘊蓄を語る漫画があり、その後に「食通コラム」として登場した料理についてラズウェル細木さんが語るページ、最後に「坂菜課長のおすすめ魚料理」というのが各回の構成となっています。
漫画は5ページほどでその後文章のページが1ページ、レシピのページが1ページなので、各回はあっさりしていますが、その分たくさんのエピソードを読むことができます。その数、このキュイジーヌマダム編だけで22編。
登場する料理は次のようなもの。
- ぬた
- ねぎま鍋
- のどぐろ開き
- 莫久来(ばくらい)
- ヒラメの昆布締め
- フィッシュ&チップス
- へしこ
- ホヤ水
- まぐろぶつ
- 水ダコしゃぶしゃぶ
- 蒸しあわび
- 明太子卵焼き
- モロコ
- ヤリイカ印籠詰
- 柚庵焼き
- 寄せ鍋
- ラーメン(魚介系)
- リゾット・アッラ・ペスカトーレ(魚介のリゾット)
- ルイベ
- レンコダイ
- ロブスター
- ワラスボ(干物)
一見さまざまな料理が並んでいるだけなのですが、よーく見るとある法則性があります。
頭文字に注目してください。
そう、あいうえお淳になっているのです。
キュイジーヌマダム編は「ぬ」から開始されています。前作「キュイジーヌムッシュ編」は「あ」から「に」までということになります。
ちなみに「おすすめ魚料理」のコーナーは、その回に登場した料理のレシピではないのですが、巻末にいくつかの料理のレシピについてはまとめて掲載されています。
面白かった話
これだけ多くの話があるので、知らなかった蘊蓄もたくさんありました。
莫久来はホヤとこのわたを合わせたもので、このわたはナマコの腸の塩辛だから、ホヤとナマコの珍味共演ということになるね。
莫久来はまだ食べたことないのですが、美味しいものが二つあわさってるのでどんな味なのか食べてみたくなります。
名前の由来はホヤの殻の形が爆雷に似ているからだそうです。
ホヤの刺身の食べ方についても、ホヤ水にレモンと醤油を合わせたものをつけながら食べるというのは初めて知りました。いつも刺身にしたホヤをホヤ水に浸すことはしていたのですが、付けダレにするのはやったことがありません。次回食べるときは挑戦してみたいと思います。
柚庵焼きについても、本来幽庵焼きだと思っていたら、どちらでもいいのだそうです。ただ考案したのが江戸時代の食通の茶人である堅田幽庵であることから、どちらかというと幽庵焼きが正しいようです。
Tomo’s Comment Follow @tommasteroflife
これで「わ」まで終わってしまったので、今後連載が続くのか分かりませんが、魚のことをあれこれ知るのは楽しいので、引き続き連載が続くとうれしいですね。
ワラスボの話は連載している「釣りコミック」で最近読んだ記憶があるので、次号の釣りコミックで新しい話が掲載されるか注目したいと思います。
漫画だけではなく、坂菜課長が魚について解説しているこんな本もあります。
こちらはおそらく春夏編が出ると思うので楽しみに待とうと思っていたら、もう発売されていたみたいです。
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