その土地を知るにはその土地の人と話すのも重要ですが、私が重視しているのはその土地の料理を食べること。
料理の特徴からその土地の人々の好みや気候風土などに思いをいたすことができると思っています。
そんな訳で、今回の上海旅行でも最初の食事は上海料理にしてみました。評判がよかった「老𠮷士(Jesse Restaurant)」で昼ご飯をいただきます。
上海料理って?
これまで中国できたことがあるのは、北京、甘粛、西安と比較的北の方。その他、香港と台湾にも行ったことがあります。
上海は乗り継ぎをしたことがあるだけで、滞在は今回が初めて。
日本でもあまり上海料理を食べる機会はなかったような気がします。
北京料理が粉ものや羊が多かったり、広東料理が魚介が多いというのはなんとなくイメージがつきますが、上海料理というと上海蟹ぐらいしか思い当たりませんでした。あと、小籠包は台湾で楽しみましたが、上海が発祥だったとも記憶していました。
Wikiで調べてみたところ、次のような料理だそう。
上海の周辺に位置する江蘇省や浙江省一帯は、俗に「魚米之郷」と称され、魚介類と農産物が豊富な平野である。上海料理の源流は、江蘇省の蘇州や揚州で食べられている江蘇料理や浙江省の寧波や杭州の浙江料理で、長江の河口に近いという地の利から、18世紀以降、これらの地域から移り住んだ人々によって大都会へと変貌する中で、持ち込まれたふるさとの食文化が融合して形成された。さらに20世紀以降に広まったロシア料理、フランス料理などの西洋料理の手法や調味料をも取り入れて、より豊富なものへと変貌した。
江蘇料理の流れを組んで、酒、酒粕、醤油、黒酢などの醸造品や、砂糖、麦芽糖を多用するため、甘く濃厚な味が特徴。また、寧波料理の海鮮料理や長江、太湖などの淡水産の食材も多用される。
醸造物を多く使いかつ甘めな料理が多いということのようですね。
まずは食べてみないことには始まらないので、上海料理が食べられて評判の良さそうなお店をいくつかピックアップして、その中から「老𠮷士(Jesse Restaurant)」に最初に行ってみることにしました。
「老𠮷士(Jesse Restaurant)」
場所はフランス租界の地域になります。
すぐ北にはとても特徴的な建物があって、皆さん写真を撮っていました。
調べてみると「武康大楼(Wukang Mansion)」という建物だそうで、1920年代にフランス人と中国人が共同でスロバキア系ハンガリー人の建築家ラズロ・ヒューデックに依頼して建てたものだそうです。100年近い歴史があるビルなんですね。当時から高級マンションだったそうです。
そんな歴史的な建造物の近くにあるのが「老𠮷士(Jesse Restaurant)」というレストラン。
ガイドブックによれば、人気店で伝統的な上海家庭料理が食べられるとのこと。
TripAdvisorでもかなり評価が高いですね。
こちらが外観となります。
思ったよりもこじんまりしている感じ。
入り口を入るとすぐに短い下りの階段があり、一階とはいえ道路よりも少し下がったところにあります。一階だけみるとちょっと狭めかなと思いましたが階段を上ると二階があります。
訪問したこの日は平日のお昼時だったのですが、いったときは満席ではありましたが、30分ほど待てば席が空くということで、近くの銀行で両替をしがてら時間をつぶして再訪しました。
案内されたのは2階席。落ち着いた、ちょっとレトロな雰囲気のレストランです。
上海家庭料理を楽しむ
やはり上海の典型的なものを食べたいので、いろいろ調べたところ「紅焼肉(ホンシャオロウ)」は外せなさそうです。
ウェブを見るといろいろな人がこちらで食べているサイトがあり、そこで掲載されている写真を見ながら、美味しそうなものをピックアップして注文してみました。
昼でしたが、まずはビール、ということで注文。
店員さんは中国語のみなのですが、私の知ってる数少ない中国語でもあるピージュウ=ビールをお願いしてみました。
やってきたのはチンタオビールでした。上海のビールを飲んでみたかったのですが、またの機会にすることにします。
最初に来たのが鶏の塩蒸し。メニューの英語ではJisi’s Salted Chickenとなっています。
塩がじっくりしみているためか、全体に引き締まった肉になっていてよい歯ごたえ。塩加減もちょうどよく鶏肉が美味しくいただけました。
続いてはクラゲの葱油。メニューのおすすめには別の比べもあったのですが、こちらの方が美味しそうに感じたためオーダー。
塊が大きくてクラゲのサクッとした食感が楽しめるのと、葱の香りが合わさって上品ではあるものの食べ応えもありました。
肉類がおおかったせいか、店員さんが野菜も進めてくれました。いくつかメニューの中から示してもらったので、こちらのハム入りの青菜炒め煮することに。
ハムは少量でしたが味がしっかりしているのでよいアクセントになっているのと湯葉もはいっていて違う食感が楽しめました。
こちらは他の方も食べていてどんな味がするのか試してみたかったナツメの料理。
ナツメの中にお餅が入っていて、甘いシロップをまとわせてあります。デザートとして食べても美味しいと思いました。
そして、お待ちかねのホンシャオロウ。
ホンシャオロウは漢字で書くと「紅焼肉」。
その名の通り、赤い色のお肉ですが、焼くのではなく煮てありますね。豚バラ肉の醤油煮なのですが、お隣の甲州名物のトンポウロウ(東坡肉)とは作り方がやや違うのだそう。
この赤い色が何由来なのか気になるところです。中国の醤油の色なのか、紹興酒などが使われているのか。いくつかのレシピも調べてみたのですが、いまいち何の赤なのかは不明でした。
味の方ですが、醤油煮といってもしょっぱすぎるわけではなく、むしろ甘みが強い味付けでした。豚肉そのものも濃い味付けに負けないしっかりとした味でバランスもよかったと思います。ビールも進む味でしたが、昼だったので二本までにしておきました。
Tomo’s Comment Follow @tommasteroflife
上海最初のレストランは、評判通りどの料理も美味しかったのでグッドチョイスだったと思います。
平日の昼でも混んでいましたし、夜はもっと混んでいるそうなので、確実に食べたければ予約をしておくとよいかと思います。
味もよかったのに加えて、上海のあちこちで感じたモダンレトロな雰囲気も味わえて、初っぱなから満足な体験を得られました。
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