昔から料理が好きで、いろんな道具を揃えるのも大好きです。
最近でこそ、限りあるスペースを意識して、よほど気に入るか、普段使いしたいと思わない限りは買わないようにしているのですが、昔は、ちょっとでもほしいと思ったら購入してしまっていました。
ましてや、外国に行ったときなどは、日本では手に入らないと思うと余計にほしくなってしまいます。
おそらく2回目に行ったイタリア。イタリアのカルチョに魅せられ、料理を愛していた私は、イタリアに行けたことに舞い上がって、あれこれと調理道具を買い込んで、バッグにつめて重い荷物を担いで日本に帰ってきていました。
そのときの戦利品の1つがこちらのパスタマシン。
インペリアSP150というパスタマシン
パスタを手作りしたいというのはこちらの本を読んでいたときから思っていたこと。
イタリア大好きだった私は、当時NHK教育テレビのイタリア語講座に出ていた、まだチョイ悪オヤジにになる前のジローラモさんが大好きで、著書も購入していました。
その後20年以上愛読して、レシピを参考にしていたのがこちらの本でした。
この本の中にパスタの作り方が書いてあったのですが、とても簡単に思え、自分でも作ってみようと思いました。
道具がなくても、こねて、のばして、包丁で切ったってパスタはできるのですが、やはり調理道具好きとしては、パスタマシンがほしくて仕方がありませんでした。
そんなときに行ったイタリア。ナイフとフォーク、グラスのような細々したものから、エスプレッソマシーン、ラビオリを作る型などイタリアンなものまで、見るものすべてがほしくなってしまいあちこちで買い物をしていました。ローマとナポリに行っていた時でした。
そしてお目当てのパスタマシーンも無事に購入。
それがImperia社のSP150というもの。
おそらくオーソドックスなパスタマシーンで、生地を厚さを変えてのばす部分と、取り外しができて細麺と太麺に切ってくれるカッターの機能がありました。
パスタマシンの困った問題
イタリアで購入したパスタマシンがうれしくて、自宅で人を呼んでパスタを作ったり、自分でもいろいろなレシピで試してみたりとパスタ作りに明け暮れてたのですが、いつの頃からか、生地をのばすローラーの端の方に触れた生地が黒く汚れてしまう現象が発生してくるように。
おそらく機械油が黒ずんでローラー部分までしみ出してしまっていると思われました。
パスタマシンはさびてしまうため、水洗いは厳禁。
ということで、解決方法はひたすら捨て生地を端の方でのばして、いつか黒くならないようにしていく、ということしかなく、何十回、何百回とやってみたのですが、黒くならないようになるには至らず。
その後、海外赴任などもあって、徐々に使用頻度が減って行ってしまいました。
ステイホームの機会に
長らく黒ずみ問題で使用頻度が減っていたパスタマシーンですが、新型コロナウイルスのせいで、家にいる機会が増えたこともあり、本格的に改善してみようと思い立ちました。
当初は、ネットを探れば解体画像や動画があるものだと思っていましたが、思いのほか少なく、限られた情報を基に分解してみることにしました。
SP150の分解と組み立て
限られた画像とインストラクションに寄れば、まずは側面の板をはずすとのこと。
まずはここ。
ネジが一つありますので、これを外すと側面版が簡単にはずれます。
反対側も簡単に外れるという記載があったのですが、これが難物でした。
この生地の厚さを調節するメモリのところについているネジを外せば簡単にこちら側も外れると思っていましたが、これがまったくはずれる気配がありません。
下から固定されているのかと思いましたので、今度は底板を外してみます。
このネジを四つ外すと底の部分は簡単に外すことができました。
これで厚さ調節側の側面版も外れると思ったのですが、簡単に外れず、中がどうなっているか分からなかったので、外すのを断念。
その後、はずれない側面とは反対側の部分を解体してみます。
その前にカバー類を外しておきます。こういった中が見えないようにするための板の部分。
ナットを緩めると簡単に外せました。
そしてナットを完全に取り去ると、こちら側の部品が完全に取り外せるようになります。
ローラーの片方はこちら側にくっついています。
ということで、ここまでバラバラになりました。
このローラー部とその根元のカバーは外せますので、布でローラーの端になる部分を中心に拭いて清掃していきます。錆びるので水洗いができませんので、布で磨き上げていきます。
そしてローラーのこちらから見て根元部分にあるカバーを取ると歯車があるのですが、ここが最も汚れが激しい部分でした。たぶん黒ずみの原因もここ。
ここも取り外して、布で磨いていきました。
おそらくここからしみ出した黒ずんだ機械油が生地に着色していたのだと思います。
再度、機械油をさすこともことも考えましたが、それほど摩耗するような使い方もしないと思い今回は特に油は使いませんでした。ただ錆びると思いますので、完全には拭ききらないで少し油が残る程度に。
関連する部品をすべて拭き上げると、今度は組み上げて元に戻す作業となります。
あ、ここで注意点なのですが、いろいろな部品がとても薄くて鋭くなっていたりします。磨いたり触ったりしていると、うっかりと指先を切ってしまうことになりますので、注意してください。
私も知らぬ間に、両手の親指の先に小さな切り傷をこさえてしまいました。
元に戻すのに一苦労
なんでもそうですが、分解する作業はネジを外していくだけなので、とっても簡単です。
写真撮りながら、組み立てるときに間違わないようにしていたので、円滑に元に戻るはずでした。
しかし、これがかなり苦労する羽目に。
まず、向こう側からにょきにょき出てきているシャフト類がまったく固定されてないので、こちら側の部品をあてがって、歯車が回るように差し込んで、他の棒も固定していくというのが難しく、しかも、ナットで固定するネジを切ってある棒が、向こう側に落ち込んでしまっていて、引っ張り出して固定してナットをつけるのが非常に手間取ります。しかもそれが3カ所。
さらに言うと、ローラーの出口部分でローラーに生地がくっつかず、下に落とすためにスクレーパーが着いているのですが、これをぴったりとローラーにくっつけた位置で固定するのがこれまた一苦労。固定する棒もあるのですが、上手い位置にスクレーパーを設置してこの棒で固定するというのもまたかなりの困難でした。
そして苦闘すること1時間ほどして、やっと元の通りに組み上がりました。
いやー、思ったよりも苦労しましたね。
組み立てて終わりでは物足りないので、さっそくパスタを作ってみることにしました。
いろんな小麦を混ぜたパスタ
とはいえ、突発的に清掃作業を始めたため、パスタを作るのに重要な強力粉を切らしていました。
仕方ないので、薄力粉、全粒粉、もち小麦という我が家にある粉をいろいろ混ぜて作ることに。
手ごねでもいいのですが、最初の部分で楽するためにミキサーを使います。
材料をセットして、ミキサーにかけ、生地がある程度固まったら取り出します。
この後のプロセスの写真を撮り忘れてしまった(というか手がベタベタでその余裕がなかった)のですが、行程としては、生地を薄くのばすローラーにかけて、折りたたんでまたローラーにかけてという作業を何度も繰り返すと、次第に生地がなめらかになってきます。
今回は全粒粉も入れたためか、やや生地の粘りが少なく、ローラーの作業を何度も繰り返しました。
厚いローラーから次第に薄くしていき、好みの薄さまで伸ばしたら、カッターを取り付けて切って麺状にしていきます。
今回はフェットチーネの太さにしてみました。
このパスタを鍋でゆでるのですが、乾麺と違ってゆで時間が短くなります。乾麺のようにパッケージにおおよそのゆで時間が書いてあるわけではないので、ゆで具合を見ながら調整する必要があります。
それと、生麺の場合、ゆで時間が短いのに加え、元々水分をある程度含んでいるため、ゆで湯の塩分を吸いにくくなります。乾麺よりも茹で湯の塩分濃度を上げるか、ソースの方の味を少し濃くしていく必要があるようです。
パスタソースですが、テレビ東京「男子ごはん」で、国分太一君が作っていたアヒージョを前日に作っていたため、その残りのソースというかオイルがありました。
アヒージョはこんな感じ。
太一君は鳥のつくねを使っていたのですが、砂肝に変えています。モッツァレラチーズを最後に入れるのがポイント。
この残りソースにいろいろなものの味が出ていますので、これをパスタに絡めるだけにしてみました。
そしてできあがりがこちら。
アヒージョのオイルにつかったタイムとローズマリーがしっかりと香ってきて、鳥のおいしさも出て、美味しくいただけました。
パスタも、全粒粉が入っているため、ちょっとぼそぼそ感はあるものの、手打ちだけあってもちもちした食感になっていました。
生地の段階では、ゆでたらバラバラになりやしないか心配してましたが、うまいことできていたと思います。
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家で時間があったので、ふと思い立ち実行してみたパスタマシンの分解・清掃。
予想外に時間を使い、そして切り傷も作りながら奮闘した甲斐があって、無事に美味しいパスタが作れるようになりました。(まあ、黒ずみも味にはあまり影響なかったのですが、見てくれ的に・・・)
乾麺も手軽で美味しいのですが、せっかくきれいにしたパスタマシンなので、今後はちょくちょく手打ちパスタ作りも復活していきたいと思います。
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はじめまして。
インペリアのパスタマシンを頂いたのですが、
かなり汚れていてカットする部分は少し錆びついてしまっています。
水洗い厳禁とのことなのですが、
分解後は何で磨かれましたか?
参考にさせてください。
マベルさん、コメントありがとうございます。
確かに水洗いはできなかったので、乾いた布でしっかり拭くようにしました。私の場合は錆はなかったのですが、カットする部分の端っこの方が汚れていたのでここを重点的にから拭きしました。
それと、記事にも書きましたが、スクレーパーをぴったりとローラーにあてがうように固定するのが難しく、うまくローラーから剥がれないでスクレーパーとの間に入り込んでしまい、再度分解したこともありましたのでご注意ください。