三菱商事のサラリーマンでありながら、ロンドンシャーロックホームズクラブの会員になるほどのシャーロキアンとしても有名な河村幹夫さんの本です。
先輩シャーロッキアンの河村幹夫さん
タイトルからシャーロック・ホームズものを期待して買ったのですが、ホームズ関連の話は最初の方だけで残りは河村さんのサラリーマン人生、特に海外駐在のエピソードなどの回想です。
ホームズものとしてはいまいちなのですが、サラリーマンものとしては面白く読めました。
とはいえ、やはり世代ギャップがあるせいか、さらに出版されたのが1994年ということもあり、一昔前のサラリーマン像が基本になっているようなところがあります。でもそれはそれで、昔のサラリーマン社会がかいま見ることができて興味深く読めます。
肝硬変になるまで接待する、ゴルフは課長以上の接待、7時に出て11時に変えるセブンイレブン、等々のエピソードが紹介されますが、接待こそ減ってるのかもしれませんが、今も残る習慣はあるように思います。
そんなサラリーマン社会の中で、本まで出版してしまうと言う異色の存在だった河村さんがどのような点で気を遣ったのかが正直に語られています。
二足のわらじと言われないように、週日は仕事に集中して取り組む、週末の時間をこつこつと趣味に当てるというスタイルを貫いたそうです。週末の時間も積み重ねれば大学の勉強時間にも匹敵するので、がんばれば物になるというのは、なるほどと思いました。
Tomo’s Comment
私も、そんな趣味を見つけたいと思いますが、一つのことに集中して取り組むのが苦手なのか、なかなか長続きするものが見つけ切れていません。仕事にしろ趣味にしろ、好きなことをするのが一番なのですが、なんでも面白くしていく工夫と面白くしようと思う心構えが何よりも大切なのかもしれません。好奇心が摩耗しないように日々気をつけないといけませんね。
シャーロック・ホームズのなかじきり
これまで載せたもの翻訳(1) T・S・エリオットのホームズ論(2) S・C・ロ