今日は疫学と政策の日。
疫学では昨日習ったbiasでカバーされていなかったうちのrandom or non differentiaについて。このerrorはMeasurement errorとも言われていて、調査で測定されたexposureまたはoutcomeと、そこから導き出したい人口全体の数値とに違いが生じてしまうことです。このerrorは
質問票の作成の仕方や測定方法、インタビューをする人の聞き方、答える人の答え方などによって生じます。測定時に生じるerrorの例として面白かったのは、white coat hypertensionといって、お医者さんを目の前にすると血圧が上がってしまい、測定値が実際よりも高くなってしまうことがあるそうです。
したがって重要なのが、validityとreliabilityで、validityは測定値をtrue valueかgold standardと比べてみること、reliabilityは(疫学では)測定値が、時間を経ても、また別の測定によっても同じ値をだす度合いを言います。categorical dataのvalidityの確かめ方として出てきたのは、例えばHIVの検査で、gold standardと測定値を比べて、二つがPositiveで一致する値のGold StandardによってPositiveと出た人の中での割合(Sensitivity)、Negativeで一致する値のGold Standard でNegativeの中での割合(Specificity)、相反する値(positiveとnegativeそれぞれ)の、テストにより測定された値の中での割合(PositiveまたはNegative predictive value)を使って確認する方法です。Prevalenceとの関係で見るということのようですが、解釈の仕方はもう少し確認が必要です。
reliabilityについては、例えば二人の調査者の結果をtwo by two tableに示し、二つの結果が一致した数値の合計を、全体の測定数で割ったMean pair agreement=Observed agreementから、期待される一致数を全体数で割ったChance Agreementをひいて、1-CAで割った値=Kappa値を使って確かめられます。Kappa値が0はまったく一致しない、1は完全に一致ということで、0.5を下回ると一致しているとは言い難く、reliabilityは低いと言うことになってしまうそうです。
Non differential or random misclassificationとは、Exposure、Outcomeとは独立しているもので、効果についてバイアスのかかった評価に結びついてしまうことになります。
だんだんと統計の授業と近づいてきた気がしますが、なぜChi Square Testではなく、Kappa valueを使うのか、といったことについては、統計の方とも併せて、よく理解しておきたいところだと感じました。
午後の政策の授業は、政策分析の重要な要素であるActorのうち、前々回の国、前回のPrivate (commercial)セクターに続き、civil society organizationについてのレクチャーでした。これまで、日本や米国で感じたのですが、CSOやNGO、NPOといった言葉が、国やコンテキストによって違う定義で語られていたり、各人の持つ定義で語られていることが多く、特に日本と米国では歴史や位置づけ、意味合いが大きく違って、そこから派生するイメージの違いで、話がかみ合わないことなども多かったように思います。きょうのレクチャーでは、CSO、NGOにInterest Groupも含めて、それぞれの違い、重なり、関係などについてある程度明らかになったところはあるものの、やはり境界線は非常に曖昧ということも分かりました。
ここ3回の授業は、Actorの解説で、特に分析手法の紹介というよりは、それぞれの特徴の紹介ということだったので、若干受け身で情報を吸収するという形でした。セミナーが2週に一回で、来週になるため、次回どんな課題で、これまでの知識がどう活かせるのか、事前によく考えておきたいと思います。
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