留学に来る前に購入したのですが、読み切れず、持ってこないと一生読む機会もないと思い持ってきた本です。
タイトルもずばり「研究の進め方」
こちらに来る前は、留学生活がどんなものになるのか想像もつかず、とりあえず留学関連の本をぱらぱらと読んでいました。
イメージとしては少人数のゼミのような授業があって、事前にものすごい量の読み物が与えられて、授業中はそれらを基にいろいろと議論を進めて(だから読まないとついていけなくて)、こんな授業が週に2〜3回あって、あとの時間はチューターの指導を受けながら修士論文に取り組む、といったところが昔から持っていた留学のイメージでした。
こちらに来てびっくりしたのは、授業は50人〜150人くらいの規模で行われること、その後のセミナー・プラクティカルは10〜20人くらいで演習に取り組む、授業はほぼ毎日午前と午後、週の授業数が多いのでリーディングは授業前に論文・レポート1本〜2本(それ以上は必須ではなく推奨)、コースの人数は65人前後、修士論文ではなくサマープロジェクトを行いレポートを書く、といったところです。
よく考えると私の通う学校はばりばりの理系の大学院ですし、出すのはMAではなくMScですし、当たり前なのかもしれませんが、これまであまり理系の世界(アカデミックなという意味ですが)に縁がなかったので、文系の大学院生活を思い描いていたようです。そもそも出身が文系(政治学)でその後も行政関係の仕事をしていたので、イメージが違ったんでしょうね。
話がずれましたが、大学を卒業してからいつかは留学しようと思っていたので、いろいろと資料や本は集めていたのですが、特に来る前はいろいろと読みあさった中にあった本がこちらでした。
これからレポートを書く上で改めて読み始めてみたのですが、もともとはアメリカのビジネススクールの学生向けの本を翻訳したものとのこと。これまで授業でさんざん疫学調査の方法や統計的分析のことを中心に学んできたので、さぞや違うアプローチなんだろうと思ったのですが、読み進めてみると、スタディデザインもほとんど共通したものですし、統計分析の方法もこちらで習ったことと同様でした。これらに「社会調査」の授業で習った質的情報の収集方法が加わった構成になっています。
ビジネススクールの調査も公衆衛生の調査も、調査手法にはあまり大きな差はないということが分かりました。まあ、そもそも文系・理系という分け方もあまり意味がない分け方なのかもしれませんね。Evidence baseという意味では同じ方向性なのでしょう。(そういえば、政治学も政治科学を目指すようになって、科学的な手法を使って・・・、といったことを大昔習ったことを思い出しました。)
というわけで、細部についてはおさらいといった感じ。ただ、おそらく欧米の学生や日本でも大学院に行った人にとっては常識なのかもしれませんが、研究の進め方を習ったこともなかったので、第二章の「研究のプロセス」というところがとても参考になりました。
次のような流れだそうです。
1.文献レビュー
2.研究方法の選択
3.リサーチクエスチョンを設定する
4.証拠・データの収集
5.証拠・データの分析
6.分析結果の考察
7.研究の問題点や限界を理解する
8.実践へのアドバイスを提起する
現時点で私がやっているのは文献レビューとリサーチクエスチョンの設定ですね。研究方法の選択については、実はまだ暗中模索なのですが、文献レビューの中で探すことになるそうです。リサーチクエスチョンもすでに一度学校にプロポーザルは出していますが、いまいちぼやっとしているので現在考え直し中。
時間がないので早く4に進みたいのですが今週、来週くらいまではチューターとも相談しながらリサーチクエスチョンを明確なものにしようと思っています。
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