あかね書房「ホームズの冒険」P209より
最近通勤の際に良く聞いているPodcastの番組に「I hear of Sherlock Everywhere」というプログラムがあります。
BSI(アメリカのホームズ団体)のスコット・モンティーさんとバート・ウォルダーさんがホストをつとめるホームズに関するポッドキャストなのですが、有名なシャーロッキアン達がゲストになってインタビューされることが多くあります。
そんなときに必ず聞いているのが、その人の初めてのホームズとの出会い。小学生やティーンエイジャーの頃に読んだ人や大学に入って読んだ人、人それぞれでなかなか面白いです。
で、自分はどうだったのか、ふと考えてみました。
ホームズとの出会いは小学生の頃
学年までは定かではないのですが、小学生の頃、本好きの友達がいて、その影響で市立の図書館に行くようになりました。最初は「ずっこけ三人組」とか「バーバパパ」とか読んでいたのですが、ある日推理小説コーナーに行くことがあり、シャーロック・ホームズの本を読んだのがきっかけで推理小説にのめり込みました。ホームズから始まり、ルパン、エラリー・クイーンなどを夢中で読んだ記憶があります。
その後中学生になり、小林司さん・東山あかねさんのホームズ本をきっかけにホームジアンの道を歩み始めました。
最初に手に取ったのがどんなホームズ本だったのか、これまであまり気にしていませんでしたが、最近、先輩シャーロッキアンの平山さんの解説・註で復刊された山中峯太郎版シャーロック・ホームズを読んでいるうちに、一体自分が読んだホームズは誰の訳だったのだろうと気になり出しました。
ホームズの児童書
初めて読んだのは確か「バスカヴィル家の犬」だったという記憶はおぼろげにあります。
そこで、児童書のバスカヴィル家の犬の表紙を見たら思い出すのではないかといろいろと探してみました。
山中峯太郎版がこちらになります。
なんとなく見覚えはあるけどこれじゃない気がしました。
表紙的にこれかもしれないと思っていたのが偕成社「呪いの魔犬」。
ただこれも決定的ではなく、購入まで至りませんでしたので、まだ確証が得られず。
あかね書房「ホームズの冒険」!?
先日神保町の古本屋に行ったときに偶然見つけたのがこちら。
表紙を見たときはこれじゃない感が大きかったのですが、本を開けてみると、記憶にある顔が!
あかね書房「ホームズの冒険」より
このページの3人組ですが、左からレストレード、ホームズ、ワトソン博士となるのですが、何か違和感を感じますよね?
そう、ホームズに髭があってワトソンにないのです。
この髭のあるホームズを見て、一気に懐かしさがこみ上げてきました。おそらくこれが自分が最初に読んだシャーロック・ホームズだと思います。
タイトルもそういえばバスカヴィル家の犬でなくて、冒険だったように覚えていました。でも、冒険というと普通は最初の短編集のことを指すし、記憶違いだろうと思っていたのですが、まさにこの本のタイトルが「ホームズの冒険」で、内容が「バスカヴィル家の犬」。
ホームズの顔の印象とタイトルの違和感をあわせると、これが記憶にある最初のホームズで間違いないような気がしています。
購入して再読してみたのですが、漢字にルビがふってあったり語彙が平易であるところはありますが、大人向けのホームズと大きく違うところもない印象で、子供向けにしてはしっかりした訳だったんだと思います。
この本は「推理・探偵傑作シリーズ」の5番目となっていて、同シリーズにはホームズの他にポーやクリスティ、エラリー・クイーン、ハメットなどなどかなり盛りだくさんなラインナップ。確かこのシリーズでマルタの鷹とか読んだ記憶もよみがえってきました。そして初めて読んだときはあまり面白くなかった。
ただ今回購入した本の表紙だけはあまり記憶になく、もしかしたら最初は違った表紙だったのかもしれないなどとも思って、諸般に近いものの画像がないかネットで探しているのですが、見つかっていません。
表紙の印象はどちらかというと偕成社版が記憶にあるんですよね。
Tomo’s Comment Follow @tommasteroflife
ということで、恐らく初めて読んだホームズ本を無事入手することができました。ただ手元のものは19刷で、自分が読んでいたときよりも後のものなので、より古いバージョンがあったら入手してみたいという気持もあります。
そして偕成社版も手に取ってみてみたいです。
こうして古書収集というグリンペンの底なし沼にはまっていくのでしょうか・・・。
「ホームズ好きが高じて探偵になりました」と言う設定は今回の劇に限らずよく見ますが、シャーロッキアンをこじらせると大抵は書痴か巡礼厨となります。
— ひろ (@takumi1391)
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【ホームズ】レスリー・クリンガーさんによるさらに詳しい註がついた「The Sherlock Holmes Reference Library」はホームズ研究に不可欠と言えるレベル
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