イタリアが好きなのでついついタイトル買いしてしまいます。
タイトルから、給料とか資産とか不動産価格といったお金の側面からイタリア人やイタリア暮らしが鋭く切り込まれるような本を想像したのと、ぺらぺら見ていたら、日本食とワインの合わせ方が書いてあったのに興味をひかれて読み始めました。
お金関連については・・・
Amazonの内容紹介では次のようになっていました。
13年のイタリア暮らしで身をもって体験した人間らしい生活。余裕のバカンス、頼れる友、個人の生活が豊かなのはなぜか。大人の国のライフスタイルから、食・ワインまで――国は貧しくても個人生活はいつも豊かで明るい不思議!!
副題が「一年240万円の豊かな生活術」ということで、具体的な年収や物価とか、どうやって節約しているかといった情報が豊富に得られることを期待していたのですが、そうした情報はあまり多いとは言えません。
この関心にダイレクトに応えてくれるのは8章ある中で、1章の半分くらいでまとめられています。
この本が書かれた2003年当時、イタリア人の年収の平均が400万円で手取りだと240万円くらい、大都市中心部でなければ100平方メートルのアパートが1000万円くらい、山や海の別荘が1000万円以下、貸し別荘が年間30万円、といった物価水準が紹介されています。
日本と比べると物価的にはかなり安いですね。
ちなみに、最近のイタリア人の平均年収は、こちらのサイトによれば431万円とのこと。
429万円で世界18位の日本よりも1ランク上の17位だそうです。実はこの結果を見て、日本よりも上ということにびっくりしました。ただ税金は日本よりも高いようなので、手取りだと逆転するかもしれません。
それにしても、同じような年収の日本とイタリアの「ゆったりさ」の違いはどこから来るものなのか、考えさせられます。もちろん日本も医療保障や治安、公共サービスの充実度など、いいところがたくさんありますので、一概にはイタリアの方がいいとはいえないのですが。
イタリアの人たちは夏に1ヶ月はバカンスを取るということを考えると、別荘を所有したり借りたりするのも、毎年のことを考えればこれぐらいの値段であればありなのかと思いますが、年収を考えるとやはりそれなりの贅沢品といえそうです。
2003年頃はアメリカで仕事をしていたのですが、同僚のアメリカ人はよくイタリアに旅行していたけど、ユーロが導入されて物価が高くなったとぼやいていました。ユーロ導入が2002年なので、物価が上がったのとユーロ・ドルの為替レートの問題もあったのかもしれません。
イタリアの有給
一方、お金の面でなくて興味深いのは、30日の有給を放棄してはいけないこと、消化できなかったら企業が50%の税金付きで買い取らなければならないということが法律で決まっているというところです。
こういう法律があればこその夏のバカンスなんだと納得しました。日本とは、お金や休みに関する考え方自体が違うのかもしれませんが、毎年一ヶ月まとめて休めたらいろいろできていいなーと思います。
今の職場でも有給はありますが、長期休暇はとれても夏の一週間ぐらいでしょうか。一週間だと海外旅行に行くにしても移動日数ももったいないので、最近は日本国内をあちこち行っています。一ヶ月の休みになると、確かに別荘があると便利かと思いますが、日本で会社勤めだと、別荘を持っていてもいける日数が限られるのでもったいなくなってしまうかと思います。
他の部分はイタリア人のライフスタイル、イタリア料理・ワインの解説、著者の経験など、普通のイタリア紹介本としても楽しめます。
Tomo’s Comment Follow @tommasteroflife
著者の方の経歴、どこかで聞いたことあるなと思ってたら、以前読んでいた「基本イタリア料理 素材からメニュー作りまで」の著者の方でした。前の本が、百科事典的にイタリア食を紹介していたのに比べて、こちらはイタリア人の生活に焦点を当て、かつ自身の体験談も多いため、楽しめる内容になっていると思います。
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