【食映画】イタリア料理店を巡る兄弟の奮闘。「シェフとギャルソン、リストランテの夜」

リストランテの夜

1996年公開のアメリカ映画、なのですが、雰囲気はイタリア映画っぽい作品です。

確か当時映画館で見たと思います。当時からイタリア好きだったこともあり、この映画をきっかけに、本場の方のイタリア映画も見るようになった思い出の一作です。

公開当時は「シェフとギャルソン、リストランテの夜」というタイトルだったと思いますが、DVDでは「リストランテの夜」というタイトルになっているようです。原題は「Big Night」。クライマックスの夜のことをタイトルにしているんですね。

 

どんなお話?

DVDの解説から。

イタリア移民の二人の兄弟プリモとセコンドは、ニュージャージーの田舎町で“パラダイス”というレストランを営んでいる。職人肌のコックの兄と、経営のセコンドはケンカばかりしているが、伝統のレシピで大成功するのが共通の夢だった。ライバル店からも買収を持ちかけられていたが、二人は有名な音楽家がこの町に来ることを聞きつけ、宣伝のためにと貯金をはたいて豪華な晩餐会の準備を始めるが……。(TSUTAYA DISCASより)

 

本場イタリアの本格的な味にこだわるあまりに、アメリカで受け入れられず、悪戦苦闘するイタリア移民の兄弟の物語です。

しかし、名前がプリモ(一番)とセコンド(二番)というのも安易な感じ。一郎、二郎のような感覚かと思うのですが、イタリアではこんな名前の兄弟、いるんでしょうか。

 

時代的には、かなり昔(1950年代)のアメリカでの話なのです。画像もそうですし、はしばしに当時の雰囲気が良く出ていると思いました。

 

兄弟の経営するレストランも、現代であればこぢんまりとした家庭的なイタリアンレストランとして受け入れられるはずだと思うのですが、当時は難しかったのかもしれません。

 

レストランの話ですが、話の中心は兄弟を巡る人間関係となっています。兄弟関係だけではなく、兄弟を巡る街の人々との関係が丁寧に描かれていて、ラストの晩餐会のシーンが盛り上がります。

 

リストランテなので料理も主役

リストランテを巡るお話なので、当然料理も登場しますが、いずれも見た目にはあまり派手ではなく、どちらかというと質実剛健な料理といった印象。

そんな中、印象に残ったのはティンパーノというパスタ生地の中に様々な具が入った兄弟の故郷の料理。パイの一種だと思うのですが、皮はパイ生地ではなくパスタ生地なので食感が違うと思われます。中はお肉やゆで卵野菜などが入っていてなかなか美味しそう。

リストランテの夜 ティンパーノ

 

調べてみたのですが、このティンパーノは、特にどこかの地方特有と言うことではなく、各地に似た料理があるようです。イタリアではティンバッロ(Timballo)と呼ばれているそう。意味はいずれもティンパニという太鼓に形が似ているところから来ています。

ティンパニ
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シチリアのマンマにならった料理で、パルミジャーノ(チーズではなく)というのがあったのですが、あれももしかしたらティンパーノに近い料理だったのかもしれないと思いました。

 

それから、兄プリモがこだわるリゾットもなかなか美味しそうでした。

 

Tomo’s Comment 

全体的にちょっとした日常のエピソードが連なって構成されています。人間関係のほのぼのとした様子と当時の時代のノスタルジックな雰囲気が相まってなんともいえないほわっとした気持ちになれる映画です。

最後のシーンは、弟のセコンドがいろいろなことがあったパーティーの朝に、卵焼きを焼いて兄と食べるという長回しのシーンなのですが、終始無言なのが余韻を残して印象に残りました。

いろいろな問題が解決しないまま映画は終わってしまうのですが、このシーンによって兄弟が力を合わせてなんとか乗り越えていくのだろうという希望が残りました。

 

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