ロンドンでホームズゆかりの地を訪ねていたのですが、施設や建物を訪ねるときには、大まかな場所は分かっても実際どの建物なのか分からないケースがありました。 そこで、購入してみたのがこんな本です。
ホームズの時代のロンドンの風景がぎっしり
この本は、ホームズ作品に登場する通りや建物を、当時の写真を使って紹介するという写真集です。
私が現代ロンドンでホームズゆかりの地を巡って写真撮影していることのビクトリア時代版という感じです。
構成としては短編集、長編ごとにそれぞれの作品に登場する場所の写真と解説、そして作中に登場している文章の引用となっています。
「Sherlock Holmes in London」P11より
例えば上は本書の「緋色の研究」の一コマ。右側の写真はワトソン博士がスタンフォードを誘って向かったホルボーン料理店。
だだっ広い大ロンドンのまっただ中で、親しみのある顔にひょっくり出会うなんて、孤独なものにとってはじつに愉快なことである。スタンフォードとはそのころ、なにも特別に親しくしていたというわけでもないのだが、私は狂喜した。むこうも私に会ったのを喜んでいるらしい。私はうれしさのあまり、ホウボーン料理店で昼食をおごるからというわけで、辻馬車に乗って出かけた。(延原謙訳「緋色の研究」より。)
左側下部には解説があって、ホルボーン料理店は、1874年に開業、1896年に拡張・改装さたこと、1955年には取り壊されたことなどが書かれています。調べてみると場所的にはこのあたりにあったようです。
私が下宿していたところから歩いて5分ほどの所だったようです。近くのバス乗り場をよく利用していましたが、取り壊されてSainsburyの入った大きな建物になっていて面影はありませんでした。
「恐怖の谷」が抜けているのですが、前書きによればロンドンの描写がほとんどないためだそうです。同様に、短編集に収められている中でもロンドンがほとんど登場しない「椈屋敷」、「背の曲がった男」、「ライゲートの大地主」、「三人の学生」、「悪魔の足」、「ライオンのたてがみ」も省かれています。
登場するすべての地名をカバーしている訳ではないのですが、それでも写真の枚数はかなりのもので、200カ所以上が網羅されています。
この写真集を入手した後は、Finding Sherlock’s Londonの記載を読んでから、こちらの写真集に掲載されているか確認し、掲載されていれば建物の様子を確認してから実際のサイトに出かけるようになりました。そうして出かけた先で写真を撮るのですが、自然と構図もこの本に出ている写真と似てきているような気もします。
巻末にはビクトリア時代のロンドン地図が掲載されていて、写真の解説で地図中のどこにあったのかが分かるようになっているのも非常に参考になります。地図については多分これと同じもの(G.W.Baconのもの)をその後購入しました。
冒頭に一枚だけジェレミー・ブレットさんのホームズの写真があるのですが、これがビッグベンを背景にした写真(セピア色になっています)で、かなりかっこいいできばえになっていてます。
Tomo’s Comment Follow @tommasteroflife
ホームズに出てきた場所というだけで、これだけの写真を見つけてきた努力はすごいものがあると思います。シャーロッキアンの執念恐るべしですね。
ちなみに上記の本は日本語訳もなされているようです。
日本語版の感想はこちら
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