キルギス共和国をご存じでしょうか。
中央アジアに位置しており、旧ソ連から独立した国の一つです。
99年に発生した日本人技師誘拐事件などで日本でも知られるようになりましたが、まだ多くの人にとっては馴染みのない国かもしれません。
行ってみると自然豊かで、人々も親しみやすくとても良い国でした。そんなキルギスについて是非知っていただきたいと思います。
国を知るには食べものを知る、という私のモットーに基づき、キルギスの食べものを中心にご紹介です。
キルギスという国
まずは国についてちょっと紹介。
場所は中央アジア、中国の西、カザフスタンの南に位置しています。タジキスタンとウズベキスタンとも国境を接しています。
キルギス語とロシア語が公用語となっています。人種的にはキルギス人が7割ほどでウズベク人、ロシア人など。
山の美しい国で、シルクロードのスイスなどといわれることもあります。
私はこれまで1999年、2009年、2011年と三回訪問する機会がありました。ビシュケク中心にオシュにも一度行ったことがあります。
キルギスでまず感じたのが、キルギス人と日本人の容貌がとても似ていること。ブータンでも同じような感覚を持ったのですが、キルギスではより強く感じました。キルギス人が日本にいても分からないレベルで似てるんですよね。
現地の人曰く、元々は同じ民族が、肉が食べたい人は西に行ってキルギス人に、魚が好きな人は東に行って日本人になったのだそうです。
また現地の方々はとても優しい方が多く、好きな国の一つになりました。
元ボクシング世界王者オルズベック・ナザロフの出身国でもあります
私はボクシングを見るのが好きなのですが、昔好きだったボクサーでオルズベック・ナザロフというボクサーがいます。ユーリ・アルバチャコフらとともに、旧ソ連からペレストロイカによって日本のジムにスカウトされ世界チャンピンにもなった方です。
具志堅用高さんに風貌が似ていたことから、当初はグッシー・ナザロフというリングネームを使っていました。
オルズベック・ナザロフ – Wikipedia
私はナザロフ選手の高いボクシングテクニックと圧倒的な強さに惹かれて応援していたのですが、ユーリ選手に比べると日本での人気は今ひとつで、深夜にしか放映されない試合を見ていた記憶があります。
このナザロフさん、実はキルギス出身で、キルギスでは知らぬ人がいない有名人。
そんなファンでもあったナザロフ選手に、縁があってキルギスでお会いできたときは感激しました。
このときいただいたサイン入りボクシンググローブは我が家の宝物となっています。
ここからキルギスで食べた料理を一挙紹介
まず、どのお店に行っても最初に出てくるキルギスのパン。
こうしたパンはキルギスだけではなく近隣諸国でナンと呼ばれているようです。(ウズベキスタンでもナンと呼ばれるパンを食べました。)その中でも、このちょっと薄めで模様がきれいなものは特別な名前があるそうです。
こちらもパンの種類。ロシア料理からですね。
こちらはラグマンと呼ばれるうどんのような麺。
ラグマンというのは、このような焼きうどん風のものもあれば、スープに入ったものもあります。
結構ボリュームがあって、お腹いっぱいになります。
こちらは、スープに入ったバージョン。
麺の食感は固めのうどんのような感じ。酸味がきいていて美味しいです。
そしてこちらはマントゥ。餃子に近いのですが、サイズがもう少し大きくて、中の餡が羊肉主体でした。
こちらでは蒸し器にいれて蒸したもの。
こちらは蒸し器から出されてお皿で提供されたもの。
餡はやはり羊肉です。私は羊肉は結構好きなので、こちらも美味しくいただきます。
唐辛子ベースの辛いペーストとお酢をかけていただきました。羊肉のくせは若干ありましたが、美味しかったです。
ウズベキスタンとも共通する料理が多いのはやはり同じ中央アジアだからでしょうか。チベットあたりとも近いものもあるようです。
こちらもギョウザに似たペリメニ。
ロシア料理ですが、ゆで餃子といってもいいかも。中身はたしかジャガイモぽかった記憶が。
ここまでは普通のレストランでいただいた料理です。
こちらの食文化として、椅子とテーブルで食べるのではなく、床に座って食べるのが普通のようで、レストランに行っても、小上がりのような席が用意されていてそこにぺたんと座って食べられるようになっていました。
キルギス伝統料理をいただく
仕事先の方からご招待ということで、キルギスの伝統的な住居を模した建物の中でのお食事をする機会がありました。
本来は地面にすわってたべるそうですが、こちらはレストランと言うことでテーブル席で。
テーブルいっぱいに料理が並べられています。
まずは前菜。
パンとスープ。
こちらは魚料理。
肉料理。キルギスで肉と言えば羊です。
腸詰めっぽいものと向こう側の白いのはどこの部位でしょうか。くにゅくにゅした食感でした。
途中で、キルギスの伝統的な音楽も聴くことができました。
そしてメインは羊の肉の塊。
この日は羊を一匹まるごと料理したようで、頭もでてきました。
切り分けてもらって、私は唇の部分をいただいたのですが、なかなかの美味でした。
そして最後に麺が出てきました。
この麺は手で食べるのが伝統だそうで、そのためファイブフィンガーと呼ばれているそうです。
我々も伝統にのっとって手でいただきました。
どれもおいしくいただきましたが、量が多いのでさすがにすべてを食べきることができません。
量が多いだけではなく、ウォッカをたくさん飲むことも食べきれない原因でした。こちらの、というよりはロシア圏の習慣で、一人があいさつをするたびに、みんなでウォッカをショットグラスで乾杯します。みんな順繰りでで挨拶をしていくので、少なくとも人数分の回数は一気で飲むことになります。
ウォッカはかなりきついお酒ですし、普段はなかなかたくさん飲めるものでもありませんが、 場の雰囲気なのか、気候風土にウォッカがあうのか、意外とたくさん飲めてしまいました。
Tomo’s Comment Follow @tommasteroflife
肉は羊や馬などが中心で日本ではまだ日常的に食べるものではないため若干とまどうところがありますが、全般的に、うどんやギョウザと源流を同じくするような料理が多く、馴染みやすかったと思います。
中国、チベット、ロシアの料理などとの共通点もあり、独自の味もありで興味深い料理でした。
みんなで麺料理を手で食べるのも楽しかったですし、食事の合間にみんなで踊って少しお腹を空かせたりと、距離が縮まったように感じる食事会でもありました。
イシククル湖や天山山脈など、まだまだ見所のある国ですので、いつか再訪したいと思っています。
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