もう10年ほど前になりますが、英国に留学していたときに活用した百科事典です。
といっても、本業の学問(公衆衛生学でした)ではなくシャーロッキアーナの方面にですが・・・。
ホームズに関する百科事典?
事典や辞典というとなにやら仰々しく感じますが、ホームズに関する研究、いわゆるシャーロッキアーナの世界にも辞典・事典は不可欠です。
国語辞典に様々な種類があるように、ホームズにもいくつかの事典があり、日本語でも複数出版されています。
今回紹介するこちらは単独の百科事典ですが、原作は海外のものとなっています。
その内容ですが、関連年表、正典解説、作品ベスト10、語られざる事件などが冒頭にあって、あとはあいうえお順に正典に登場する言葉の解説が続きます。国語事典のような感じですね。
解説文ですが、基本的にはホームズ作品でどのように登場したかという記述が中心です。ですので、それ以上の考察については書かれていません。正典での記述が中心ではありますが、映画や演劇、テレビ関連についても意外に充実しているのが特徴でしょうか。
私としては、正典での記述だけではなく、もう少し先人の研究結果についても記載されているとさらに嬉しかったと思います。
例えば、私の場合、ホームズに登場する場所に関心があるのですが、ワトソン博士は住人の迷惑になるからか、存在しない地名をつかったりしています。
そんな架空の地名についての項目では、それが架空であることすら述べられていませんし、実はどの辺をさしているのかについてはまったく触れられていません。
ロンドンにいたときは、正典に登場する場所を訪問するのが楽しみだったのですが、架空の場所に関しては、どこを訪ねるべきか、あまり参考にはなりませんでした。
その用途としては、正典の語句に注釈がたくさんついている、グールド註かクリンガー註にあたると、ヒントになることが多くありました。
Tomo’s Comment Follow @tommasteroflife
とはいえ、あれってホームズの何に出てきたんだっけとか、ぱらぱらめくって、そいういえばこんな事も出てくるよなといった使い方には最適です。
ぱらぱらしていると時間が経つのをわすれていろいろと読み込んでしまいます。
事典については、日本では全集の一部として出ていたこちらの方がより多くの人になじみがあるかもしれません。
いずれ紹介しようと思います。
ホームズの研究について知りたければこんな記事もおすすめ
【ホームズゆかりの地】ロンドンやスイスにホームズを訪ねるなら読んでおくべき「シャーロック・ホームズへの旅」とその続編
【ホームズ】シャーロック・ホームズではなくその研究者=シャーロッキアンが主人公という珍しい設定の漫画。「シャーロッキアン!」
【ホームズ】「シャーロック・ホームズの見たロンドン」事件に登場する場所のヴィクトリア時代当時の写真が満載。
ホームズの事典ではジャック・トレイシーのも
重宝しています。
でも、これだけを信用して地図で確認しなかった
ら間違っていた事がありました。
>みっちょんさま
ジャック・トレイシーのもいずれ手に入れたいですね。読み比べてみるのも面白そうです。
Tomoさま
トレイシーの事典は読むと言うより「事典」として
活用できとても便利なのでお手元に置かれる事を
お奨めします。
少し値段が高いですが河出版が写真、図版が綺麗で
正確さも抜群のようです。
>みっちょんさま
河出版ですね。購入計画に入れたいと思います。