熊野古道は紀伊半島にある熊野三山(本宮大社、速玉大社、那智大社)にお参りをするための参詣道のことです。「紀伊山地の霊場と参詣道」として世界遺産にも登録されています。
この熊野古道をいつか歩いてみたいと思っていたのですが、先日訪問する機会を得ました。時間の制約もあってかなり効率的に熊野三山も含めてまわってきましたので、短時間で回る方法について紹介したいと思います。
(記事は2016年9月現在の時刻表に基づいていますので、変更される可能性もあります。念のため時刻表を確認の上おでかけください。)
熊野古道と熊野三山
熊野三山は古来より信仰の対象とされており、遠く平安時代から参詣が盛んに行われており、そのために整備されたのが熊野古道となっています。森の中を通る石畳の道という印象がありますが、実は石畳がない道も含めてかなり広範に広がっています。
詳しくはこちらの「熊野本宮観光協会」のサイトに詳しく解説されています。
熊野古道|熊野本宮観光協会次の地図は上記サイトよりお借りしたのですが、熊野古道はこんななに長いと言うことが分かります。
今回歩いたのは熊野那智大社の近く。
拠点は紀伊勝浦に置き、2泊で熊野古道と熊野三山を巡ることにしました。
東京からの経路
東京から紀伊勝浦へ行くには鉄道で名古屋から四日市などを通っていく経路と、飛行機で羽田から南紀白浜空港から行く方法がメインの経路のようです。
日中の移動だと飛行機の方が高くかつ時間もかかるので、ここは鉄道を選択します。
名古屋までは新幹線も頻繁に出ていますが、名古屋から紀伊勝浦に行くJR特急ワイドビュー南紀というのが2〜3時間に一本しか出ていません。最初の便が8時頃、次が10時過ぎ、その次になると13時前、17時前となってしまいますので、一番便利が良いのが10時1分になると思います。(早起きが苦手なもので・・・)
この便に乗るためには東京発の新幹線8時13分の「のぞみ」で行くことになります。
ただし、8時13分に乗ると、名古屋到着が9時54分となりますので、10時1分に乗り換えるには少々あわただしくなりますので、時間の余裕が欲しい人はもう少し前の新幹線で行くと良いかと思います。
紀伊勝浦への到着が13時56分となりますので、お昼ご飯を車内で食べることになりますが、今回は名古屋で駅弁を購入してワイドビュー南紀の中で食べることにしました。
せっかくの名古屋なのでこんな駅弁を購入。
「ひつまぶし巻き」と「天むす」。
このひつまぶし巻き、駅弁として車内で食べるのもいいのですが、最後にお茶漬けにして食べられるようにお茶がついていますので、持ち帰って家で食べるのも良さそうでした。
ワイドビュー南紀はその名の通り、景色がよく見えるように窓が大きめになっています。
駅弁と車窓の風景を楽しんでいるとあっという間に紀伊勝浦へ到着。
泊まりは紀伊勝浦の宿「わかたけ」
今回は熊野三山を巡る拠点として、紀伊勝浦駅を選びました。というのも、少なくとも熊野那智大社とその近くの熊野古道を歩きたかったということもあり、最寄りの紀伊勝浦が便利そうだったからです。
宿もいくつか良さそうなところがあったのですが、今回は「マグロと地酒の宿 民宿わかたけ」さんにお世話になることにしました。
マグロと地酒の宿ということもあり、食事が美味しそうでさらにお酒を各種取りそろえていると言うことです。夕食が楽しみ。
そして駅の目の前という好立地でもあります。
こちらでは二泊お世話になることにしました。
まずは熊野那智大社へ
2時過ぎにはチェックインできたので、一時間ほどゆっくりしてから、まずはその日のうちに熊野那智大社まで行ってしまうことにしました。
本当は大門坂というところから熊野古道を登って那智大社に行く予定だったのですが、天気もあまり良くなかったのでまずは那智大社へ言ってしまうことに。
わかたけとは駅の反対側にバス乗り場があります。
そこでこんな切符を購入。
(しかし熊野三山を全て回りたい人にはもっとお得なチケットがある事を翌日発見します。)
15時10分発で那智山に向かいます。
那智山の周り方
後で詳しく説明しますが、今回とおったのはこんなルートです。
観光センターまでバスで登ってしまい、ここから熊野大社、青岸渡寺、三重の塔、那智の滝、そして熊野古道大門坂を下ります。
全行程で3時間弱。到着初日に回るにはちょうど良い時間ではないでしょうか。
那智山でお参り
那智山のバスターミナルに到着し少し右の方に歩くと表参道の石段が現れます。
那智山には那智大社以外にも見所がいくつかあります。
分かりやすいのがこちらの「那智勝浦町観光協会」のサイト。
那智山エリアマップ|那智勝浦町観光協会まずはやはり熊野那智大社は参拝しなければなりませんが、そのお隣に那智山青岸渡寺というお寺、ちょっと降ると三重塔、そして那智の滝と見所が続きます。
まずは表参道を登り那智大社へ。
いくつかの鳥居をくぐって登ります。
石段をひたすら登ります。
お参りですので、こちらの手水舎でお清めを。
そして熊野那智大社へ到着。
ここからすぐお隣が那智青岸渡寺となっています。
二カ所でお参りをして少し降ると三重塔が。
観光案内などでもこの那智の滝を背景にした三重塔の写真が良く使われていますね。
さらに降っていくと滝壺の近くに行くことができます。
那智の滝の近くにバス停がありますので、ここから紀伊勝浦に帰っても良いのですが、せっかくなので熊野古道も歩きたいところ。ちょうどいいバスがあるようならば、再度那智山のバス停まで向かうと良いと思います。
那智山バス停から熊野古道大門坂を歩く
時間があればバスで大門坂というバス停に行って、そこから熊野古道大門坂を登って那智大社にお参りするのが楽しいと思いますが、今回は午後3時に勝浦を出たと言うこともあって、時短ルートにしました。
バスで那智山まで行って、参拝してから熊野古道を降りるというルートです。
ということでバス停に戻りました。
那智山のバス停裏手に古道の入り口があります。
今回はここから大門坂のバス停に向かって降りていきました。
ご覧の通り石畳で整備されていますので歩きやすくなっています。
このあたりは雨量が多いと言うことで、こうやって石畳で整備しないとならなかったということのようです。
夫婦杉という二本の巨大な杉があるあたりまで行くとゴールはすぐそば。
歩いて30分弱で大門坂の入り口、大門に出ることができました。
この近くにもバス停がありましたが、雨が降ってきたので大門坂駐車場前のバス停まで歩きここでバスを待ちました。
この駐車場にはサッカーの日本代表のシンボルでもある、八咫烏の像がありますのでサッカー好きの方は是非こちらへも。
バスに乗って紀伊勝浦駅までもどりました。
ちなみに2016年9月現在のバスの時刻表は下記の通り。(出典 熊野交通 http://www.kumakou.co.jp/bus/jikoku_item_9.html)
大門坂駐車場から勝浦駅への最終便が17:46ですので、この時間までに大門坂を下っていくように調整できれば良いのではないでしょうか。
「わかたけ」の夕食はまぐろ料理に鯨料理
わかたけには2泊したのですが、初日は夕食付きのプランにしました。
わかたけ人気No1プラン!まぐろ料理に鯨料理ということで、「マグロと旬の地魚の舟盛りのプラン」でした。
夕食メニュー例ですが、
- 煮物
- すき焼き
- ごまの豆腐グラタン
- 鯨の尾羽毛
- 鯨の内臓料理
- マグロの酢の物
- マグロの味噌カツ
- 漁師さんからもらったマグロの胃袋料理
- マグロのカマの塩焼き
- マグロのつみれ汁
- マグロと旬の地魚の舟盛り
- お茶はこだわりの色川茶です。
- お酒は地酒を中心に取り揃えています。
ということで、超豪華。
「※注意!夕食はかなりの量が出ますので、おやつは控えてください!」とのことでボリュームもたっぷりです。
こちらが食卓に用意いただいた料理の数々。
ここからさらにあれこれと出てくるのです。
ということで食べたものを紹介。
こちらは小鉢系。手前が鯨の内臓だったかな、奧がオクラとキノコの煮物、その右がごまの豆腐グラタン。
これはまぐろの酢の物。
こちらは鯨のおばけ。
これはまぐろの胃袋のバター炒め。
まぐろの味噌カツ。
こちらはすき焼き。
まぐろと旬の地魚の舟盛り。
びんちょうとキハダまぐろ、イサキ、豆あじとよろりという魚だそうです。
「よろり」というのは調べてみたら「くろしびかます」という魚だそうです。初めて食べたかも。
そしてびんちょうのカマ焼き。
そしてさらに地酒も豊富に取りそろえています。
ちょっと辛めでスッキリとしたものをということで、何種類か味見させていただき、選んだのが「黒牛」というお酒。
このような酒器でいただけました。おすすめだけあってイメージ通りで美味しいお酒でした。
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ということで、東京を出発して、那智山を巡り、熊野古道を歩き、美味しいまぐろ料理を堪能したところまで紹介しました。
ちょっと長くなってしまったので、二日目、熊野三山の残りの二カ所を巡り、またまた美味しいまぐろ料理を食べたことは、次回紹介したいと思います。
熊野古道は想像していたとおり、静かで厳かな雰囲気のある森の中にある石畳の道でした。お参りをするのにふさわしいたたずまいです。
そして勝浦のまぐろや鯨料理も、希少部位も含めてどれも美味しくて堪能しました。
熊野の初日は大満足の一日となりました。
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【旅食】シチリア・トラーパニのお薦めレストラン、Cantina Sicilianaでマグロカラスミパスタを食べる
【旅食】ザグレブのスーパーマーケットで食材を買って自炊してみました。品揃えが良くて満足。
【料理】テマというアクラの隣町にある魚市場で魚を調達。そして魚料理パーティー。
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