Session3 Identifying priorities for change when trying to improve service
今日は「変化」について。
なせ、組織やサービスを変化させなければいけないのか、ということグループで話し合ってから、クラスでの議論になりました。
事前のReaderとして課されていたのは英国のNHSのとある薬局部門のケーススタディでした。(興味のある方は、こちらで読むことができます。リーダーで指定されたのはこの中のCase study 1のEpisode 1.1の冒頭から32ページまでです。)
http://www.sdo.lshtm.ac.uk/files/adhoc/change-management-developing-skills.pdf
変化は組織や人員にどんな意味を持つのか、多くの生徒から意見が出されました。変化にも良い変化と失敗する変化がある、変化を起こす人と人が起こした変化によって影響を受ける人によって受け止め方は違う、変化する理由をきちんと明らかにしなければならない、等々。
いずれにせよ、変化をきちんとマネージメントできるかどうかが重要ということで、では変化に対してどのようなアプローチがあるのかという問いに。
あまり深くは踏み込みませんでしたが、トヨタの5回の質問を繰り返す手法などが紹介されました。なにか問題があったときに、「なぜ」を繰り返すことで、間違いを起こした人の責任などを超えた、買えなければならない根本的な問題に行き着くことができることと、あまり協調されていませんでしたが、現場の人が自分たちで5回問いを繰り返して問題を発見することで、現場の知恵を活かした改善ができるということが、重要なポイントだと思います。(「現場」の重要性については、いろいろ考えるところがあるのでいずれまとめてみたいと思っています。)
今日特に詳しく説明があったのは、変化に対する3つのアプローチ。
一つめは、Planned/deliberate(analysis followed by plan and implementation)というアプローチで、分析に基づき計画を作成し、これを実施して、評価してフィードバックをするというものです。一般的に「計画」といって頭に浮かぶアプローチだと思います。
もう一つは、Spontaneous (events, actions and behaviours emerge spontaneously from interactions)で、Interactionによってメンバーによる計画のデザイン・分析への自主的な貢献を引き出し、つねに変化・計画の意味を周りに周知し続け、良きできない新しい出来事や行動の発生を導き、ここから理解や教訓を引き出すというもの。
三つ目は、Emergent (foster, craft, discover things, detect patterns)で、組織内で潜在的な知識を持った人を見極め、これらの人の知恵を使って組織の経験・パターンを分析し、日々の決断の中からストーリーを導き出していくというものです。
これらの三つのアプローチをそれぞれProspective, real time, retrospectiveの3つの時間軸に分けた、9つのマトリックスが紹介されました。
人々はこれらのどれか一つが正しいと思ってそれにそったアプローチを取ろうとするが、優れたマネージャーはこの3つのアプローチを柔軟に活用するとのこと。短期的にはplanned/deliberateなアプローチを軸に他のアプローチを混ぜていくというやり方も取れると言うことです。
最後のEmergingはヘンリー・ミンツバーグが提唱しているアプローチとの解説がありました。ミンツバーグについては、一昨年あたりから自主的な研究会ですこし論文など読んだことがあり、戦略クラフティングという概念を初めて知ったことを思い出します。それまでは、きちんとした分析に基づけば、自ずと最も最良な解決方法が見つかるので、計画をきちんとすることが重要と考えていて(上の一番最初の考え方ですね)、ただきちんとした計画が実際にはほとんどないことは不思議に思っていて、それは必要な情報を収集して分析する能力の欠如が原因だと思っていました。そこに、ミンツバーグの論文を読んだので、目から鱗でした。そういえば、勝手に尊敬しているある研究者・専門家の方も、計画や実施はLinearなものではなく、ところどころでSpiralだったりするんだよって言われていた意味もそのとき少し分かったように思います。今日のレクチャーでより明快に理解できたよな気がしました。
その他、分析ツールについて、7Ss(Staff, Skills, Structure, Strategy, Systems, Management Style, Shared beliefs), PEST(Political, Economic, Sociological, Technological), SWOT(Strength, Weakness, Opportunity, Threat)などが簡単に触れられましたが、講師いわく理論や構造だけ知っていても実際にどのようにこれらのツールを使うのか分からないと意味がないということで、これからケーススタディを通じて実際の使い方を学んでいくことになりそうです。
そういえば、今日メインで使っている教科書を入手できました。
前半のほとんどの講義は、この本の著者のValerieによって行われます。
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