沢木耕太郎さんといえば、「深夜特急」。
大学の頃に読んで、大いに影響を受けました。
30才になる前までには同じように長い放浪の旅に出たいと思いつつ、果たすことはできませんでした。その代わり、ではないのですが、大学を卒業して割と早い時期に東南アジアの国で3年ほど生活できる機会に恵まれたのですが、日本を出たいという思いの根っこは「深夜特急」にあったかもしれません。
沢木さんのベトナム旅行記
そんな影響を受けた沢木さんですが、「深夜特急」以外の本をほとんど読んでいないことに気がつきました。
本屋で探して手に取ったのがこちらでした。
同じ旅行物、しかもヴェトナムを南から北へバスで縦断するということで、また沢木さんの旅に立ち会う喜びを得ることができることを期待して読み進みました。
このベトナム旅行、「深夜特急」の旅から20年以上たっていますので、当然深夜特急の沢木さんとは年齢も経験も違っています。実際、旅で出会うことに対する感情や反応も「深夜特急」のころとは違っていることが分かります。
それでも、街を歩くときの好奇心、何かが起こるのではないかという期待、周囲の人との関わりなど、沢木さんらしい描写が多く、旅に同行しているような気分になれました。
新しい街でフォーが食べられる店を見つけて、これでいつでもここに来ればいいと安心できる気持ち、マジェスティックのバーで街を見ながら近藤紘一さんの著書をに思いをいたす場面、などが印象に残ります。
ホアビンへ
旅の最後で、ハノイのホアビンホテルに滞在していた沢木さんが、バスでホテルに帰ろうとしたら間違ってホアビン市というハノイの西にある都市に連れて行かれてしまいます。
そういえば、私もホアビンに行ったことがあったことを思いだし、沢木さんと同じ場所に行っていたと少し嬉しい気持ちになりました。
もっとも沢木さんは夕方にホアビンについて、すぐバスでハノイにUターンしたので、一瞬だけ滞在したにすぎず、特に街を回る描写が無いのが残念です。
こちらの写真はホアビンを訪問したときのもの。あまり大きな町ではないことが分かります。
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「深夜特急」の旅と趣はことなりますが、沢木さんの旅であることに変わりはなく、旅に出たいという気持ちをかき立てられた点では、やはり「深夜特急」に通じる物があったのだと思います。
ただ、人の感性は年齢によって変わるもので、若者らしい旅は若のもの時にしかできないのかもしれないと思うと少し寂しさも感じます。
沢木耕太郎さんの本はこちらでも紹介しています。
【旅行】旅と人生について考えさせられた一冊。沢木耕太郎さんの「旅する力 深夜特急ノート」を読む
【旅】『深夜特急」の世界をさらに知るために最適の特集!「深夜特急」ノート (Coyote No8)を読んでさらに旅に出たくなった
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