【読食】ラズウェル細木さんの漫画とエッセイがバランス良く楽しめる。「口福三昧①」

口福三昧①

ラズウェル細木さんと言えば、「酒のほそ道」などの人気シリーズのある漫画家さんです。

私もガーナで「酒のほそ道」全巻を読破し、その魅力にすっかりはまってしまいました。

ラズさんの本の特徴と言えば、食べ物に関する漫画に文章がついているというスタイル。レシピがつくパターンもあります。

この「口福三昧」はそんな漫画と文章のバランスが抜群。ラズさんの魅力が満載の一冊です。

口福三昧①

こちらの口福三昧は食エッセイ漫画といった趣で、まずはラズウェル細木さんがあれこれ体験したこと(もちろん料理関連)を漫画で書いて、その後テーマとなっている食材についてひとくさり文書が入るという構成。他の作品と違って、文書の一部は編集の方が書いている様子です。

とりあげられているのは、鯛飯から始まって、マツタケ、納豆餅などなど豪華26話。

各話とも最初に漫画が来て読み物、レシピと続きます。このあたりはラズさんの他の作品とも共通しています。

「う」ではうなぎ、「ラ寿司開店」では寿司など食べ物のテーマを絞った作品も多いのですが、こちらは食材や食べ方、外食などと幅広くとりあげられています。

ラ寿司などでは実験的な話(ヅケを作り方をかえて食べ比べたり)もあって面白かったのですが、こちらでも中華まん食べ比べとか山椒をいろんな食べ物に合わせてみるなどチャレンジしています。

「旨いぞスーパーきのこ鍋」

こちらのエピソードは、ラズウェル細木さんがスーパーであまり馴染みのないキノコをみつけて食べ比べてみるというお話し。

「ブラウンえのき」、「あわび茸」、「バイリング」、「たもぎ茸」、「おうぎ茸」など、確かにあまり聞いたことがありません。

これをそれぞれ茹でてポン酢醤油で食べ比べてみたところ、ちょっとクセがあったりこれといった主張がなかったりといまいちだった様子。

しかしこれらを何種類も鍋に入れてみると、キノコが出す旨味が複合して美味しくなるのだそう。

この話を読んで思いだしたのがベトナムのASHIMAというキノコ鍋のお店。

マツタケも含むたくさんのキノコをメニューからチョイスして鍋に入れていただくというスタイルでした。ここでいろいろなキノコを入れて食べた鍋は絶品で、またハノイに行く機会があれば味わってみたいと思っています。

こちらは再訪したときの記録。

ちなみにベトナムは美味しいお店が多すぎて、行くたびにどこに行くか迷いますし、行きたいお店も増えていくので悩ましい場所です。

Tomo’s Comment 

自分自身が食べることが好きで、自分で料理するのが好きで、そしてお酒も大好きということで、ラズウェル細木さんの漫画はどれを読んでも楽しめるものばかり。

出版されたものはほとんど読んだと思います。

そんななかでもこの「口福三昧」は漫画と文章のバランス、取り上げる題材の多様さで、「酒のほそ道」に次ぐお気に入りとなりました。

こちらの口福三昧はタイトルに①とあるので2巻以降も続くのだと思います。②の発売を楽しみにしています。

追記:その後口福三昧②も発売となりました!

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