【ホームズ】シャーロック・ホームズではなくその研究者=シャーロッキアンが主人公という珍しい設定の漫画。「シャーロッキアン!」

シャーロッキアン

シャーロック・ホームズというのは言わずとしれた19世紀末に活躍したイギリスの名探偵。

聖書の次に読まれているといわれるほど世界中で読まれています。

そんなシャーロック・ホームズのことを科学的に研究する人々をシャーロッキアン(イギリスではホームジアン)と呼んでいます

 

シャーロッキアンとは?

シャーロッキアンは、広い意味ではシャーロック・ホームズ好きとか愛好家全般を指す言葉としても使われます。その中でも熱狂的なマニアを差すことも。

一方、とても狭い意味では、「シャーロック・ホームズを実在の名探偵であるとし(ワトソン博士が著者でコナン・ドイルは出版エージェントとし)、60作品を正典(または聖典)と呼んで研究する」人々となります。

研究内容はと言うと、ホームズ達が住んでいた221Bを始め登場する場所を特定する地理学(作品中では事件の場所を特定されないようぼかされていたりします)、各事件がいつ発生したのか追求する年代学、その他作品中のいろいろな矛盾(ワトソン博士がアフガニスタンで負った傷は肩なのか足なのか、とか、ワトソン博士は何回結婚したのか、等)を説明しようとする試みがなされています。

(私も実はシャーロッキアンというかホームジアンの端くれ。こうした研究成果をまとめた本も多く出版されていて、その一部は当ブログのこちらのカテゴリーで紹介中です。)

 

池田 邦彦さんが描くシャーロッキアンの世界を描いた「シャーロッキアン!」

私も漫画雑誌モーニングで読んでいた「カレチ」を書いていた池田邦彦さん。他にも鉄道にまつわる作品を多く書かれています。


そんな池田さんが、シャーロック・ホームズではなく、シャーロッキアンを描いたのが本日紹介する「シャーロッキアン!」という作品です。

Amazonではこのように紹介されています。

書店でアルバイトをする女子大生の原田愛里は、同じシャーロッキアンである大学教授の車路久とコンビを組んで、ベーカー街のホームズ&ワトスンよろしく、さまざまな依頼人(?)のため『シャーロック・ホームズ物語』に隠された知られざるオドロキの謎に挑む!心と謎を解きほぐす極上の推理エンターテインメント!


すでに4巻まで出ていますが、漫画アクションに不定期連載のためか、刊行のペースはかなり遅めです。


 

主人公の女子大生・愛理と大学教授の車がふとしたことでシャーロッキアン同士であることを知り、シャーロック・ホームズのエピソードを下敷きにしたさまざまな人間関係が描かれ、所々シャーロッキアン的な知識がちりばめられていて・・・と、人情ものにシャーロッキアンフレーバーをまぶした感じで、とても素敵な作品となっています。

シャーロッキアン的な要素としては、例えばワトソン博士の軍医時代の古傷の場所や大空白時代の考察、切り裂きジャックとホームズの絡みなど、比較的オーソドックスなものが多く、定説に従っている記述もあるのですが、なかなか新鮮な独自の解釈もあって、シャーロッキアーナ(ホームズ研究書のことをこう呼びます)としても楽しめました。

さらに、謎解き的な要素だけではなく、現代に生きる主人公たちの心情にホームズやワトソンの心情が重ねられて、ほろりとさせられるのもいいです。なんだかホームズやワトソンの気持ちや人間味をよりリアルに感じさせてくれた気がします。

主人公の大学生・愛里と大学教授の車をはじめ、登場する人々みんながとても人情深い人々です。これは上述のカレチにも共通しますが、各エピソードが優しさや人情に溢れているんですね。

 

愛里と車教授の関係にも変化が見られ、3巻後半でドラマチックの盛り上がっていくのも見所の一つです。

 

Tomo’s Comment 

物語としても面白いのですが、シャーロッキアンというものがどんなものか知りたい人にはおすすめの漫画となっていると思います。

私もホームズ好きで、シャーロッキアンの世界を人に説明するのですが、いまいち分かってもらえないことも多く、そんなときはこの漫画を貸して読んでもらうようにすると、少し理解してもらえたりします。


ちなみに、シャーロッキアンが登場する漫画としては、「ゴルゴ13」の第433話(第131巻)もありますね。

私もゴルゴ13はこの巻だけ持ってたりします。


 

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